デジタル大辞泉 「鑑みる」の意味・読み・例文・類語 かが・みる【▽鑑みる】 [動マ上一]《「鏡かがみ」の動詞化》「かんがみる」に同じ。「たとひ四部の書を―・みて、百療に長ずといふとも」〈平家・三〉 かんが・みる【鑑みる/×鑒みる】 [動マ上一][文][マ上一]《「かがみる」の音変化》過去の例や手本などに照らして考える。「時局に―・みて決定する」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「鑑みる」の意味・読み・例文・類語 かが・みる【鑑・鑒】 〘 他動詞 マ行上一 〙 ( 「かがみ(鏡)」の動詞化したもの )① 鏡や水などにうつして見る。かがむ。かんがみる。[初出の実例]「清流に鏡(カカミル)」(出典:猿投本文選正安四年点(1302)一)② 手本、先例などとくらべ合わせて考える。また、手本、先例などに従う。あるいは、他の例とくらべ合わせて考える。のっとる。かんがみる。かがむ。[初出の実例]「入定は是れ静にして、前の理と監(カガミル)」(出典:法華義疏長保四年点(1002)序)「いにしへをかがみ、いまをかがみるなどいふ事にてあるに」(出典:今鏡(1170)一)③ 神仏などが明らかに見る。かがむ。かんがみる。[初出の実例]「天もかかみたまえ」(出典:三体詩幻雲抄(1527))鑑みるの語誌中世後期から撥音の入った「かんがみる」が強調形として用いられ、近世にはこれが通用となり現代に至る。本来、訓点語系の語かと思われ、やや硬い文章に用いられる。活用も古くは「かがみる」「かんがみる」と上一段活用であったが、中世以降「かがむ」「かんがむ」という上二段活用も生じた。 かんが・みる【鑑・鑒】 〘 他動詞 マ行上一 〙 ( 「かがみる(鑑)」の変化した語 )① 鏡や水などに映してみる。かんがむ。② 手本、先例などとくらべ合せて考える。また、手本、先例などに従う。あるいは、他の例とくらべ合せて考える。のっとる。かんがむ。[初出の実例]「臣が忠義を鑒(カンガミ)て、潮を万里の外に退け」(出典:太平記(14C後)一〇)③ 神仏などが明らかに見る。かんがむ。[初出の実例]「妾の貞操を守りしは、皇天の鑒(カンガ)みる所なり」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉六六) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例