鑑・鑒(読み)かがみる

精選版 日本国語大辞典 「鑑・鑒」の意味・読み・例文・類語

かが・みる【鑑・鑒】

〘他マ上一〙 (「かがみ(鏡)」の動詞化したもの)
① 鏡や水などにうつして見る。かがむ。かんがみる。
※猿投本文選正安四年点(1302)一「清流に鏡(カカミル)
手本先例などとくらべ合わせて考える。また、手本、先例などに従う。あるいは、他の例とくらべ合わせて考える。のっとる。かんがみる。かがむ。
※法華義疏長保四年点(1002)序「入定は是れ静にして、前の理と監(カガミル)
※今鏡(1170)一「いにしへをかがみ、いまをかがみるなどいふ事にてあるに」
神仏などが明らかに見る。かがむ。かんがみる。
※三体詩幻雲抄(1527)「天もかかみたまえ」
[語誌]中世後期から撥音の入った「かんがみる」が強調形として用いられ、近世にはこれが通用となり現代に至る。本来、訓点語系の語かと思われ、やや硬い文章に用いられる。活用も古くは「かがみる」「かんがみる」と上一段活用であったが、中世以降「かがむ」「かんがむ」という上二段活用も生じた。

かんが・みる【鑑・鑒】

〘他マ上一〙 (「かがみる(鑑)」の変化した語)
① 鏡や水などに映してみる。かんがむ。
② 手本、先例などとくらべ合せて考える。また、手本、先例などに従う。あるいは、他の例とくらべ合せて考える。のっとる。かんがむ。
太平記(14C後)一〇「臣が忠義を鑒(カンガミ)て、潮を万里の外に退け」
③ 神仏などが明らかに見る。かんがむ。
花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉六六「妾の貞操を守りしは、皇天の鑒(カンガ)みる所なり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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