日本大百科全書(ニッポニカ) 「間宮茂輔」の意味・わかりやすい解説
間宮茂輔
まみやもすけ
(1899―1975)
小説家。東京生まれ。本名は真言(まこと)。慶応義塾大学文科予科中退後、鉱山、灯台などで働き、その体験が後の作品に生かされる。『不同調』に参加するが、変貌(へんぼう)する漁村を描いた『朽ちゆく望楼』(1929)を発表し、プロレタリア文学運動に近づき、『文芸戦線』を経て、ナップに加わる。入獄を経験したのち、『人民文庫』に参加し、『あらがね』(1937~38)を連載。戦後は民主主義文学運動や平和運動の推進に力を尽くした。
[鳥居明久]
『『現代日本小説大系58』(1952・河出書房)』▽『『日本現代文学全集69』(1969・講談社)』▽『『日本プロレタリア文学集13 「文芸戦線」作家集(4)』(1986・新日本出版社)』