関東・関西(読み)かんとう・かんさい

百科事典マイペディア 「関東・関西」の意味・わかりやすい解説

関東・関西【かんとう・かんさい】

関東とは,古代には三関(さんかん)以東の地域をいう。鎌倉時代には尾張(おわり)・信濃(しなの)・越後(えちご)国以東の東国,〈関東二十八ヵ国〉を指し,また京都の王朝に対する〈東国国家〉の准国号のような語となった。室町時代には坂東(ばんどう)八ヵ国(相模(さがみ)・武蔵(むさし)・安房(あわ)・上総(かずさ)・下総(しもうさ)・常陸(ひたち)・下野(しもつけ)・上野(こうずけ))に甲斐(かい)・伊豆(いず)両国を加えた10ヵ国を指し,江戸時代には〈関八州〉と慣用したように坂東八ヵ国そのものを指すようになった。 関東に対する地名が関西だが,関東に比べ用例が少なく,普通対語としては西国(さいごく)・上方(かみがた)が使われた。関西の用例は近代に入って京阪神を中心とする近畿地方を指す地域名として多用されるようになる。

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