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限定戦争 げんていせんそうlimited war

翻訳|limited war

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

限定戦争
げんていせんそう
limited war

制限戦争とも呼ばれる。戦闘地域,戦闘手段,使用兵力,武器および達成すべき目標などになんらかの制限を加えながら行われる武力戦。古来なんらかの面で限定戦争でなかった戦争はないが,特に 19世紀から 20世紀初頭にかけて人道的戦争という立場から,国際法や戦争法規によって目標や手段に多くの制限が課せられた。しかし,第1次世界大戦後,戦争様相が総力戦となり,その結果,目標,手段などが無制限的となった。第2次世界大戦後核兵器の出現により,全面的核の使用は戦争の政治目的を達成しえないばかりでなく,全面戦争は人類の全滅となりかねないので,地域,手段,目的を限定する限定戦争が重視されるようになった。中国から義勇軍の名で大軍が送られているにもかかわらず,爆撃範囲を鴨緑江までに限った朝鮮戦争,地上部隊の行動範囲を北緯 17°線以南に制限し,北ベトナムへは爆撃だけにとどめたベトナム戦争はいずれも限定戦争で,使用武器も通常兵器に限定された。現代の限定戦争の特徴は利用しうる兵器のすべては使用しないか,あるいは兵器体系は全部使用するがその使用範囲,目標を限定するところにある。現代の限定戦争理論でよく知られているのは 1957年 H.キッシンジャーが『核兵器と外交政策』で提唱した限定核戦争戦略である。彼は,(1) 核兵器の威力を 50kt以下とする,(2) 戦争目的を限定し,敵に無条件降伏を求めるものでないことを明らかにする,(3) 使用範囲も限定する,ことを主張した。

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デジタル大辞泉の解説

げんてい‐せんそう〔‐センサウ〕【限定戦争】

戦争目的や攻撃目標・戦闘手段などが一定範囲に限定されている戦争。制限戦争局地戦争

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百科事典マイペディアの解説

限定戦争【げんていせんそう】

制限戦争ともいう。戦争目的や攻撃目標,戦闘手段などが一定範囲に限定されている戦争。核兵器を用いない局地戦争ともいえる。
→関連項目戦争

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大辞林 第三版の解説

げんていせんそう【限定戦争】

戦争目的・攻撃目標・使用兵器・戦闘地域などが一定範囲に限定されている戦争。制限戦争。局地戦争。 → 全面戦争

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世界大百科事典内の限定戦争の言及

【世界政治】より

…したがって先制攻撃を受けて後退しても,ある線で反撃に転じて原状を回復する余地が残されており,その意味で〈防衛〉概念が成り立っていた。戦争はすべて限定戦争であったため,〈限定戦争〉という概念は不要であった。だが米ソ対決のもとでは,核先制攻撃で相手に致命的・全面的破壊を加えることは可能であり,その意味で古典的な〈防衛〉は不可能になった。…

※「限定戦争」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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