出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…すなわち役負担可能な家(役家)と役夫の台帳である。古代の計帳の系譜を引く帳簿で,鎌倉・室町期には実施されなかったが,戦国期に入り,戦国大名は領国の総力をあげて戦う必要に迫られ,農民を単なる年貢負担者としてだけでなく,陣夫としてあるいは戦闘員として編成することが要請された。1582年(天正10)後北条氏は領内一円に人改めの令を出しているが,はたして87年村々から役に立つ者どもを動員して戦に備えた。…
…現代の輜重(しちよう)隊にあたる。駄馬と陣夫からなり,多く足軽によって宰領されていた。戦時に百姓から陣夫と馬を徴発するのは守護の権限であったが,実際上は中世では大名に動員されて出陣する個々の武士の才覚にまかされていた。…
…農民らは,これを地頭の非法として鎌倉幕府に訴えたので,幕府は,農繁期における労働力収奪を制限した。室町・戦国期において,内乱状況が継続したときには,守護や戦国大名は陣夫などと称して,長期間,農民を戦場へかり出すこともあった。【佐藤 和彦】。…
…日本では戦争の続いている間,食べたり,飲んだり,着たりすることは各人が費用を賄わなければならない〉とか,〈日本では各人の百姓が彼の衣類や食糧を背中につけて運ぶ〉と指摘しているように,中世の兵は武器・食糧自弁が原則であった。 領主・大名の軍事動員をうけると,武士は所定の軍役として人馬や武器類を用意するほかに,従軍期間中の人馬の食糧・衣類やそれを運搬する陣夫も,必要なだけ自費で調達しなければならなかった。豊臣政権は兵と農を分離し,武士の土着や農民の武装を原則として否定し,兵は武士に限り,農民はあくまでも非戦闘員として徴発するとともに,兵の食糧自弁を廃して,武士から陣夫農民にいたるまでを所定の軍役数に含め,これに一定の扶持米(ふちまい)を給与する体制をとった。…
※「陣夫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
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