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陣夫 じんぷ

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世界大百科事典 第2版の解説

じんぷ【陣夫】

戦争に必要な食糧などの物資を運んだ人夫。駄馬を引いて出るのが普通である。農民から徴発された。律令の兵制では食糧・武器は兵士の自弁であったので,とくに陣夫の必要はなかった。中世にはそれぞれの武士が所領から陣夫を徴発して出陣するのが原則であった。しかし後期になると,領国の百姓の役として陣夫を賦課する戦国大名も出現した。近世に入ると検地で定められた石高に応じて百姓から陣夫を動員する制度が創設され,諸大名はこれによって小荷駄隊を編成し,食糧や弾薬を運搬させた。

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All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

世界大百科事典内の陣夫の言及

【家数人馬改帳】より

…すなわち役負担可能な家(役家)と役夫の台帳である。古代の計帳の系譜を引く帳簿で,鎌倉・室町期には実施されなかったが,戦国期に入り,戦国大名は領国の総力をあげて戦う必要に迫られ,農民を単なる年貢負担者としてだけでなく,陣夫としてあるいは戦闘員として編成することが要請された。1582年(天正10)後北条氏は領内一円に人改めの令を出しているが,はたして87年村々から役に立つ者どもを動員して戦に備えた。…

【小荷駄】より

…現代の輜重(しちよう)隊にあたる。駄馬と陣夫からなり,多く足軽によって宰領されていた。戦時に百姓から陣夫と馬を徴発するのは守護の権限であったが,実際上は中世では大名に動員されて出陣する個々の武士の才覚にまかされていた。…

【長夫】より

…農民らは,これを地頭の非法として鎌倉幕府に訴えたので,幕府は,農繁期における労働力収奪を制限した。室町・戦国期において,内乱状況が継続したときには,守護や戦国大名は陣夫などと称して,長期間,農民を戦場へかり出すこともあった。【佐藤 和彦】。…

【農兵】より

…日本では戦争の続いている間,食べたり,飲んだり,着たりすることは各人が費用を賄わなければならない〉とか,〈日本では各人の百姓が彼の衣類や食糧を背中につけて運ぶ〉と指摘しているように,中世の兵は武器・食糧自弁が原則であった。 領主・大名の軍事動員をうけると,武士は所定の軍役として人馬や武器類を用意するほかに,従軍期間中の人馬の食糧・衣類やそれを運搬する陣夫も,必要なだけ自費で調達しなければならなかった。豊臣政権は兵と農を分離し,武士の土着や農民の武装を原則として否定し,兵は武士に限り,農民はあくまでも非戦闘員として徴発するとともに,兵の食糧自弁を廃して,武士から陣夫農民にいたるまでを所定の軍役数に含め,これに一定の扶持米(ふちまい)を給与する体制をとった。…

※「陣夫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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