小荷駄(読み)コニダ

デジタル大辞泉 「小荷駄」の意味・読み・例文・類語

こ‐にだ【小荷駄】

馬に負わせる荷物
室町時代兵糧武器戦場に運ぶ駄馬隊。また、その荷や馬。

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精選版 日本国語大辞典 「小荷駄」の意味・読み・例文・類語

こ‐にだ【小荷駄】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 行軍、そのほかで馬に負わせる荷物。〔随筆・甲子夜話(1821‐41)〕
  3. こにだうま(小荷駄馬)日葡辞書(1603‐04)〕
  4. 室町時代、戦場に兵糧、設営道具などを運ぶ駄馬隊。多くの駄馬、車両に足軽、陣夫を伴い戦力が弱いので陣列の後尾に配されていた。
    1. [初出の実例]「引時、敗軍するは、第一に、小荷駄(コニダ)を切くづされて、敗軍なれば」(出典甲陽軍鑑(17C初)品三五)
  5. 軍隊糧食。兵糧。
    1. [初出の実例]「敵小荷駄送之人数え入馬、五十余人討捕由注進候」(出典:上杉家文書‐(永祿一二年)(1569)二月二九日・北条氏康書状)

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改訂新版 世界大百科事典 「小荷駄」の意味・わかりやすい解説

小荷駄 (こにだ)

中世近世で戦場に兵粮弾薬,設営道具などを運ぶ駄馬隊。現代の輜重(しちよう)隊にあたる。駄馬と陣夫からなり,多く足軽によって宰領されていた。戦時百姓から陣夫と馬を徴発するのは守護権限であったが,実際上は中世では大名に動員されて出陣する個々の武士才覚にまかされていた。近世では小荷駄の提供は百姓の身分にともなう義務と規定されており,これによって近世大名の軍隊は中世のそれに比して格段の補給力と機動性を獲得することになった。
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