階層制(読み)かいそうせい(その他表記)hierarchy

翻訳|hierarchy

山川 世界史小辞典 改訂新版 「階層制」の解説

階層制(ヒエラルキア)(かいそうせい(ヒエラルキア))
hierarchia[ギリシア],hierarchy[英]

ローマ・カトリック聖職序列の組織。元来は天使位階を意味した。2~3世紀に聖職者全体を,やがて教会組織全体をさすようになった。1教会内に司教司祭,助祭の上級職と下級職があり,広い地域の教区組織がつくられて,やがてローマ司教(教皇パパ)を頂点とする複雑な階層制が成立した。聖書にもとづく聖職は,ペテロ初代とするローマ司教と一般の司教のみだが,16世紀のトリエント教会会議で,階層制そのものが神の命じたものとされた。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「階層制」の解説

階層制
かいそうせい
hierarchy

12〜13世紀ごろに確立したローマ−カトリック教会の教会組織。「ヒエラルヒー
ローマ帝国末期より一般信者と聖職者との分化が始まると,教会組織は上にローマ教皇を頂いて,枢機卿 (すうきけい) ・大司教・司祭および修道院長という階級秩序が発展し,それらは世俗諸侯・騎士とともに封建社会における特権階級を構成した。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android