隔てる(読み)ヘダテル

デジタル大辞泉 「隔てる」の意味・読み・例文・類語

へだ・てる【隔てる】

[動タ下一][文]へだ・つ[タ下二]
物の間に距離をおく。「五メートル―・ててくいを打つ」
物を間に置く。また、置いて遮る。仕切る。「障子を―・てて話す」「ついたてで部屋を―・てる」
時間的に距離をおく。年月がたつ。「時を―・てること百年
関係をうとくする。壁をつくる。「疑心暗鬼二人を―・てた」
[類語]挟む離す遠ざける隔離する離隔する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「隔てる」の意味・読み・例文・類語

へだ・てる【隔】

  1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]へだ・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙
  2. 間に距離やさえぎるものを置く。間にあって両者を離す。
    1. [初出の実例]「月見れば同じ国なり山こそは君が辺を敝太弖(ヘダテ)たりけれ」(出典万葉集(8C後)一八・四〇七三)
    2. 「御几帳へだてておはしまして、御物語聞え給ふを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
  3. 二つの行為の間に時間的な距離を置く。年月を過ごす。
    1. [初出の実例]「思(おもひ)を研(みか)き、時を淹(ヘタテ)、未だ惣畢すること能はざりき」(出典:大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃))
  4. 気持のうえで、他との間に距離や壁をつくる。遠ざける。また、わけへだてをする。
    1. [初出の実例]「かねてよりへだてぬ中と慣はねど別れは惜しき物にぞありける」(出典:源氏物語(1001‐14頃)澪標)
  5. 連歌俳諧で、前句に用いた語または類似語を、すぐ後の句に用いないで間に句を置く。去る。
    1. [初出の実例]「可三句物 月 日 星」(出典:連理秘抄(1349))

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