デジタル大辞泉
「挟む」の意味・読み・例文・類語
さし‐はさ・む【▽挟む/▽挿む/差(し)挟む】
[動マ五(四)]
1 間に入れる。はさみこむ。「しおりを本に―・む」
2 他人の話に途中から割り込む。別の意見などを言って干渉する。「口を―・む」「異論を―・む」
3 ある考えを心中に含み持つ。「疑念を―・む余地のない結論」
[可能]さしはさめる
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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はさ・む【挟・挿】
- [ 1 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
- ① 物の間にさし入れて動かないようにする。間に入れて、おさえて落ちないようにする。
- [初出の実例]「熱鉄の鉗を以て口を鉗(ハサム)で開か令む」(出典:石山寺本法華経玄賛平安中期点(950頃)六)
- 「狐の心付かざるやうに、尾の先きをしかとはさみて」(出典:尋常小学読本(1887)〈文部省〉五)
- ② 間に置く。まん中に入れる。
- [初出の実例]「六百余里して烏仗那国に入る。蘇婆薩堵河を夾(ハサメ)り」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝永久四年点(1116)二)
- 「舟は蒸気機関室を夾みて左右に客室あり」(出典:落梅集(1901)〈島崎藤村〉利根川だより)
- ③ 所有する。持つ。伴う。
- [初出の実例]「明宗は小者を一人はさまず、ふぐせが一腰なし」(出典:本福寺跡書(1560頃)大宮参詣に道幸〈略〉夢相之事)
- 「ウマ イッピキ fasamu(ハサム) ホドノ ヒトデ ゴザル」(出典:日葡辞書(1603‐04))
- ④ 心の一端にいだきもつ。
- [初出の実例]「後来(ゆくさき)の取越苦労、其中に小袖の染色、模様の工夫も挿(ハサ)みて、嬉しさ、気遣しさ、楽しさ、心元無さ」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中)
- ⑤ ( 「耳にはさむ」の形で ) 聞きこむ。
- ⑥ ( 「口をはさむ」などの形で ) 人が話をしている途中に、横からことばをさし入れる。また、ことばの流れの中に他の語をさし入れる。
- [初出の実例]「他の人に向って話す時には、〈略〉今の人が『ネー』『ナー』『デス』などの言葉をはさむと」(出典:筆まかせ(1884‐92)〈正岡子規〉一)
- [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 ( 「はざむ」とも ) [ 一 ]に同じ。
- [初出の実例]「くしげかがみの、かげみえがたく、とぐわきもしらず、うちはさめておきたるにならひて」(出典:大鏡(12C前)一)
さし‐はさ・む【挿・挟】
- 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
- ① 間に入れる。
- (イ) 物の間にさしこむ。はさみこむ。挿入(そうにゅう)する。
- [初出の実例]「其の生める子をば、木の俣に刺挟(さしはさみ)て返りき」(出典:古事記(712)上)
- (ロ) 他人の考えや話に、別の考えやことばを途中から加える。
- [初出の実例]「つぎに、みづからのはからひをさしはさみて」(出典:歎異抄(13C後)一一)
- ② ある考えを心にもつ。心中にいだく。含みもつ。多く、悪い考えをいだく意に用いる。
- [初出の実例]「諸神諸社の牛王宝印のうらをもって、野心を挿(さしはさ)まざるむね」(出典:平家物語(13C前)一一)
- 「従ってそんな疑ひを挟(サシハ)さむ余地がなかった」(出典:行人(1912‐13)〈夏目漱石〉兄)
- ③ ( 「さし」は接頭語 ) 左右からはさみもつ。転じて、助ける。力をかす。援助する。
- ④ ( 「さし」は接頭語 ) 頼みとする。頼みとして人に誇る。おごりたかぶる。
- [初出の実例]「勅命をさしはさみ、年来の蟄懐を散(はら)さん為」(出典:読本・椿説弓張月(1807‐11)前)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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