隠顕(読み)オンケン

精選版 日本国語大辞典 「隠顕」の意味・読み・例文・類語

おん‐けん【隠顕】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. 裏にかくれたものと、表にあらわれたもの。
    1. [初出の実例]「内外隠顕(ヲンケン)、雖差別、悲智必具也」(出典:雑談集(1305)一)
  3. ( 顕彰隠密の意 ) 親鸞が浄土三部経の解釈に当たって用いた表現。表にはっきり現われているのが顕、裏に隠れて現われているのが彰、すっかり隠されているのが隠、密は仏の密意の意で、三経にはそれぞれ現わす所に差異があっても、仏の密意をうかがえば、いずれも真実弘願の意をあらわしているということ。顕は自力、隠は他力を意味する。
    1. [初出の実例]「三経大綱雖隠顕、一心為能入」(出典:浄土文類鈔(1252‐57頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「隠顕」の読み・字形・画数・意味

【隠顕】いんけん

見えかくれする。〔北史、儒林下、劉伝〕自ら贊を爲(つく)りて曰く、~人(じんかん)に隱顯し、世俗に沈す。~立身立行、慚(ざんぢく)實に多し。

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