① スズメバチ科のハチ。日本産のハチのうち最大種で、雌バチは体長四センチメートルに達する。働きバチは小さく約二・五センチメートル。頭部は赤褐色で胸部は黒く、腹部は黒と黄褐色の縞模様をなす。はねは淡褐色で透明。腹端に毒性の強い針をもち、怒らせると人畜をも攻撃する。昆虫の幼虫や樹液を好んで食べ、ときにミツバチの巣を襲って幼虫や蜜を奪う。樹木の空洞や屋根の軒などに径五〇センチメートル以上にもなる大形の巣をつくる。巣の外側は樹皮をかみ砕いてつくられた薄い膜で、露蜂房(ろほうぼう)と呼ばれ薬用にされる。北海道を除く日本各地、中国、朝鮮などに分布する。俗にクマンバチとも呼ぶ。やまばち。おおきばち。おおばち。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
② スズメバチ科に属する大形のハチの総称。スズメバチのほか、ヒメスズメバチ、キイロスズメバチなどがあり、スズメバチに似ているが小さい。針は毒性が強く人畜に被害を与えたり、果樹・養蜂にも害をする。日本には二六種が分布する。