日本大百科全書(ニッポニカ) 「雇用指数」の意味・わかりやすい解説
雇用指数
こようしすう
index of employment
雇用の変動状況を明らかにするために、ある一定時点における雇用者数を基準(100)として各時点(月あるいは年)の雇用者数を指数として示したもの。わが国では1995年(平成7)を基準時として、常用雇用指数が1970年(昭和45)までさかのぼって作成されている。常用雇用指数は、「毎月勤労統計調査」(指定統計第7号)と「事業所・企業統計調査」(指定統計第2号)の常用労働者数のデータに基づいて作成される。ここで「常用労働者」とよばれるのは、日々または1か月以内の期間を定めて雇われている者、あるいは最近2か月にそれぞれ18日以上雇われた者、そのほか、常勤の役員、常勤の家族労働者などのことである。この指数は、毎月勤労統計調査により常時30人以上を雇用する事業所を対象として得られた毎月末の推定労働者数をもとに、5年ごとに全国事業所を対象に全数調査として行われる事業所・企業統計調査の常用雇用者数をベンチマーク(推計基準)にして算定される。産業別(製造業については中分類まで)に作成され、厚生労働省によって『毎月勤労統計調査報告』『労働統計調査月報』『労働統計年報』などに公表される。
[高島 忠]