労働統計(読み)ろうどうとうけい(英語表記)labour statistics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

労働統計
ろうどうとうけい
labour statistics

労働に関する各種統計総称。その範囲については必ずしも一定しないが (広い意味では人口統計を含める) ,通常は雇用労働をめぐる諸統計を意味する。具体的には雇用,賃金,労働時間労働災害労働生産性および労使関係などに関する一切の統計をいう。日本の労働統計の基本的な情報供給源としては総務省統計局の「労働力調査」「就業構造基本調査」,厚生労働省の「毎月勤労統計調査」などが有名であり,人口統計も含める場合は「国勢調査」 (総務省統計局) がその重要な統計の一つとなる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ろうどうとうけい【労働統計】

労働統計の範囲を明確に定義づけることはむずかしいが,一つの社会を労働する人間集団としてとらえ,これを統計的把握対象とするとき,労働統計が存在すると考えられる。労働統計を労働力就業失業労働移動などの労働のに関する統計と,賃金,労働時間,生活費,労働争議などの労働の価格に関する統計とに分けて論ずる場合があるが,ここでは労働統計を対象のとらえ方によって次の二つに分けて考えることとする。一つは収入を得ることを目的として仕事に従事する人間を労働者としてとらえ,これを対象とする立場であり,労働者個人を直接,または世帯を通じて把握される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

労働統計
ろうどうとうけい
labor statistics

労働に関する諸統計のうち、労働力や雇用、労働時間などの労働形態、または労働者およびその家族に関連する一連の統計。主として、政府または地方公共団体によって行われている。日本での全国統計は、主として厚生労働省と総務省統計局によって行われ、地方公共団体の統計は、それらの調査データを各地域別にまとめたものが大部分である。

 労働に関する調査・研究、研修を行う独立行政法人労働政策研究・研修機構(厚生労働省所管)の「労働統計のあらまし」によると、労働統計は、(1)人口、就業者数、失業者数、労働移動、(2)賃金、(3)労働時間、(4)雇用管理等、(5)労働災害・労働安全衛生、(6)労使関係、(7)家計、物価、生活の状況、勤労者意識、(8)経済全体、景気、企業経営、(9)テーマ限定の統計調査、に分類されており、それぞれに該当するものを以下に示す。

(1)国勢調査、人口推計、労働力調査、一般職業紹介状況、雇用動向調査、就業構造基本調査、経済センサスなど。

(2)毎月勤労統計調査、賃金構造基本統計調査など。

(3)毎月勤労統計調査、就労条件総合調査など。

(4)就労条件総合調査、高年齢者の雇用状況、雇用均等基本調査、能力開発基本調査など。

(5)労働災害発生状況、業務上疾病発生状況等調査などの業務統計があるほか、労働災害動向調査、労働安全衛生基本調査、建設業労働災害防止対策等総合実態調査、労働者健康状況調査、労働環境調査、技術革新と労働に関する実態調査など。

(6)労働組合基礎調査、労働組合実態調査、労働協約等実態調査、労使コミュニケーション調査、労働争議統計調査など。

(7)家計調査、消費者物価指数、社会生活基本調査、国民生活基礎調査、国民生活に関する世論調査、勤労生活に関する調査など。

(8)国民経済計算、景気動向指数、全国企業短期経済観測調査、労働経済動向調査、景気ウォッチャー調査、海外事業活動基本調査など。

(9)就業形態の多様化に関する総合実態調査、パートタイム労働者総合実態調査、派遣労働者実態調査、有期契約労働に関する実態調査、若年者雇用実態調査、高年齢者雇用実態調査など。

[飯塚信夫 2020年9月17日]

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世界大百科事典内の労働統計の言及

【失業】より

…具体的に,だれがどのような要件を満たすとき実際に失業者とみなされるのか。失業者を数えあげる統計として日本では〈労働力調査〉(総務庁統計局)があり,毎月世帯を通じて毎月末日に終わる1週間(〈調査週間〉)の活動状態を質問することによって失業統計(〈労働統計〉の頂参照)が作成されている。この労働力調査によれば〈完全失業者〉とは,(1)仕事がなくて,調査週間中に少しも仕事をしなかった者のうち,(2)就業が可能でこれを希望し,(3)かつ仕事を探していた者,および仕事があればすぐに就ける状態で過去に行った求職活動の結果を待っている者,と定義されている。…

※「労働統計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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