日本の統計に関する基本法である統計法(昭和22年法律第18号)(旧法)に基づき、総務大臣(旧、総務庁長官)が指定し、公示してきた日本の統計体系における中心的統計のこと。国、地方公共団体など民間以外の機関が実施する統計調査は、統計法の適用を受けるが、指定統計は、国民生活にとって重要な関係をもち、国の基本政策の基準となる官庁統計体系の骨格をなすものとして、とくに同法律によって指定されたものであり、国、地方公共団体が直接に、あるいは他に委託して作成してきた。指定統計調査の実施に際しては、実施内容につき総務大臣の承認を受けること、調査実施者は調査対象に対して申告義務を課しうることなどの規定があり、その一方で申告内容について厳重な秘密の保護が図られていた。指定を受けた統計調査の数は、旧統計法施行以来、1947年(昭和22)の「国勢調査」を第1号として、2007年(平成19)の旧法廃止までに、「法人土地基本統計」の第121号までが指定されてきた。2007年の統計法全面改定(2009年施行)により、この旧法による「指定統計」制度は、国民経済計算に代表される加工統計のほか、業務統計をも含むように対象範囲が拡大されて、新法(平成19年法律第53号)においては「基幹統計」として位置づけられることになった。
[高島 忠]
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… 中央省庁および地方公共団体等が行う統計調査については,統計法および統計報告調整法(1952公布)が基本的な規定を与えている。統計法においては国勢調査のほか,総務庁長官の指定した統計を指定統計として,それについて調査結果の統計以外の目的への利用の禁止,秘密の保護,結果の公表などを統計作成者に義務づける一方,国民の側には調査に応ずる義務,虚偽の申告に対する罰則などを規定している。指定統計はすでに中止されたもの,1回限りのものも含めて115あるが,国が行う主要な統計調査はほとんどがこれに含まれている(1984年現在)。…
…日本の社会経済の実態を数量的に把握する重要な手段たる官庁統計の真実性を確保し,統計調査の重複を除き,統計の体系を整備するために,GHQの要請で来日した統計使節団の勧告に基づいて,1947年に公布された法律。日本の官庁統計制度は指定統計,届出統計,統計報告の3本の柱で構成されている。統計法は指定統計と届出統計について定める。…
※「指定統計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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