雨漏手(読み)あまもりで

精選版 日本国語大辞典 「雨漏手」の意味・読み・例文・類語

あまもり‐で【雨漏手】

〘名〙 陶器長年使用しているうち、釉(うわぐすり)のひびわれから化学成分が入り、雨漏りしみのようなものが現われたもの。茶碗見所一つとして重視される。朝鮮茶碗堅手(かたで)粉引(こひき)熊川(こもがい)等に多い。雨漏り。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「雨漏手」の意味・わかりやすい解説

雨漏手
あまもりで

高麗茶碗一種表面に灰,紫色の汚斑が雨漏りのしみのようについているものをいう。焼成中に釉 (うわぐすり) のピンホールから素地 (きじ) の鉄分などが鈍く発色して発散したものと,使用中によごれがしみこんで斑文をつくったものとがある。粉引茶碗に多い。酒井家伝来の「雨漏」 (根津美術館) と,松浦家伝来の「雨漏」 (福岡市美術館) が名物として有名。

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