雲林寺(読み)うんりんじ

日本歴史地名大系 「雲林寺」の解説

雲林寺
うんりんじ

[現在地名]森町中川

中川なかがわ地区の北部、丘陵裾にある。竜渓山と号し、曹洞宗本尊は虚空蔵菩薩。開山は不琢玄珪、開基は村松家初代山口加賀守(法名英佐儀俊)。文明二年(一四七〇)一月七日の明室覚証置文(雲林寺文書)、天正三年(一五七五)一月七日の雲林寺縁起(同文書)によれば、もとは真言宗で、不琢は思案法印から境地等を譲られて曹洞宗寺院とし、その遣誡により北の山に山神を祀ったと伝える。前掲置文では思案は譲渡ののち谷川やがわ学伝がくでん坊に隠居したとし、縁起では思案入定の時期を応安元年(一三六八)とする。

雲林寺
うんりんじ

[現在地名]むつみ村大字吉部上

栖月山と号し、臨済宗南禅寺派。本尊は聖観音。もと栖雲せいうん寺と号したが、明治三年(一八七〇)吉部きべ村内の清月せいげつ院を合併して現寺号に改称した。

栖雲寺について「注進案」は、もと円通えんつう寺と号したとし、境内に観音堂と薬師堂があったことを記し、この両堂は貞享三年(一六八六)検地の折「当郡御所務代草刈喜平次殿右之両堂之検地成就之被籠御立願、首尾好御検地成就之上公儀え被仰出、御免許之上奥阿武郡五万石出銀を以」て建立したという。また寺伝では貞享三年阿武郡内に疫病が流行した折、代官草刈喜平次が観音堂に参籠し懺悔の法を修すると病人は漸次快方に向かったという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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