電子透かし(読み)デンシスカシ(その他表記)digital watermark

日本大百科全書(ニッポニカ) 「電子透かし」の意味・わかりやすい解説

電子透かし
でんしすかし
digital watermark

画像、音声、動画、テキストプログラムなどのデジタルコンテンツに、人間知覚では判別できないように特定のデータを埋め込む技術。紙幣における透かし(すき入れ)に比定される効果をもつため、このようによばれる。作成者、課金情報、コピー回数などを含む著作権情報が埋め込まれ、コンテンツの不正利用防止の目的で使用されることが多い。埋め込まれたデータは容易に削除できないようになっており、読み出しも専用の検出アプリケーションにより行う。また、データの改ざんを記録する技術もあり、改ざん部分を具体的に特定できる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

IT用語がわかる辞典 「電子透かし」の解説

でんしすかし【電子透かし】

デジタルコンテンツの著作権管理用の識別情報。動画や音声などの品質影響を与えずに埋め込まれ、不正コピーやデータ改ざんの防止に使われる。また、これらの一連の技術を指すこともある。◇「ウォーターマーク」「デジタルウォーターマーク」ともいう。

出典 講談社IT用語がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の電子透かしの言及

【電子情報の知的所有権】より

… しかし,近年のディジタル・マルチメディア・ネットワーク技術の進歩は,著作権制度に関するこれまでにない問題を提起している。たとえば,コンピューター内またはネットワーク内における著作物の一時的な蓄積は複製の定義に含まれるか,暗号等を応用した複製防止技術を回避する行為を違法とすべきか,電子透かし等を用いた権利管理情報を除去したり書き換える行為はどうか,などである。1996年の世界知的所有権機関(WIPO)著作権条約はこれらの疑問について一応の決着をつけたが,未解決の点も多い。…

※「電子透かし」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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