改訂新版 世界大百科事典 「電波星カタログ」の意味・わかりやすい解説
電波星カタログ (でんぱせいカタログ)
radio star catalogue
電波で宇宙を観測すると,大きく広がった成分と,星のように点状のものとが存在する。前者を背景放射,後者を電波星,またはある程度広がったものを含めて電波源と呼ぶ。電波望遠鏡によって,これらの電波源の電波の強さ,天球上の位置などを一定の条件のもとでまとめ,表にしたものが電波星カタログである。多くのカタログは,使用した電波望遠鏡のある地名,あるいは観測者の名まえがついている。例えば,もっとも利用されている3Cカタログは,ケンブリッジ大学で観測された第3番目のものという意味で,観測周波数159MHz,8Jy(Jyはジャンスキーといい1Jy=10⁻26Wm⁻2Hz⁻1である)以上の電波源471個を集録している。電波星カタログは,3C表のほかに,主として159MHzより高い周波数領域で10種類以上に及び,光学天体や赤外線天体などとの比較研究に重要な資料となっている。最近は,電波,光,赤外線などをさらに総合的にまとめなおしたカタログもみられる。
→星図 →星表
執筆者:赤羽 賢司
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報