電源ベストミックス(読み)でんげんベストミックス

百科事典マイペディア 「電源ベストミックス」の意味・わかりやすい解説

電源ベストミックス【でんげんベストミックス】

電源石油原子力など使用燃料によって分類し,供給安定性,経済性,環境特性,運転特性などから総合的に判断して最適に組み合わせること。全国レベルと各電力会社レベルとでは,地域性,立地条件などにより最適とされる構成が異なる。電力需要基盤を支えるベース電源,ピーク時の需要を支えるピーク電源中間ミドル電源に大きく分かれる。日本では石油危機によって石油中心だった電源構成の脆弱さが露呈し,以後電源の多様化と最適モデルの模索,その実現が電気事業最大の課題とされてきた。 1994年の電気事業審議会需給部会の中間報告では,(1)ベース電源には経済性,供給安定性などに優れた原子力を中心に,純国産で環境負荷の少ない水力地熱などを置く,(2)供給安定性,経済性に優れた石炭をベースおよびミドル電源とする,(3)環境特性に優れた液化天然ガス,出力調整能力に優れた石油をミドルおよびピーク電源と位置付けている。 1996年度の電源別発電量は原子力35%,石油18%,液化天然ガス23%,水力10%,石炭14%という構成。政府は石油への依存を抑え,原子力および新エネルギーによる発電量を増加させる方針で,1998年,同審議会は2010年度の目標値を原子力45%,石油8%,液化天然ガス20%,水力11%,石炭13%,地熱1%,新エネルギー1%と設定している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電源ベストミックス」の意味・わかりやすい解説

電源ベスト・ミックス
でんげんベストミックス

電気の需要動向に応じて安定供給や経済性,環境への優しさなどを考え,燃料別に電源となる発電所を最適に組合せること。日本はエネルギー資源が乏しいため 1991年度で,原子力 27%,石油系 27%,LNG23%,水力 13%,石炭 10%と,世界でも多様な電源構成となっている。常時運転を続けるベース供給力は,発電コストが比較的安く安定性に優れる原子力や石炭火力,ピーク供給力は,需要増に対し即座に運転を始められる石油火力や揚水式水力,中間的な供給力としては石炭火力や LNG火力を使用している。

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