ピーク電源(読み)ピークデンゲン

デジタル大辞泉 「ピーク電源」の意味・読み・例文・類語

ピーク‐でんげん【ピーク電源】

電力供給事業において、季節時間帯によって高まる電力需要に応じて供給する電源揚水式発電石油火力発電など。ピークロード電源。→ベース電源

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピーク電源」の意味・わかりやすい解説

ピーク電源
ぴーくでんげん

季節、天候曜日、時間帯などによって変動する電力需要のうち、おもに夏場昼間など一時的に需要が急増する時間帯の供給を受け持つ電源。コストは高くても発電出力を短時間で機動的に上げ下げできる電源が適しており、夜間にくみ上げた水を昼間に放出して発電する揚水発電人工池などに貯めておいた水を放出して発電する調整池式・貯水池式水力発電、電力需要の変動に容易に対応できる石油火力発電などが使われている。2011年(平成23)の東日本大震災以降、東京電力福島第一原子力発電所の事故もあって、政府はメガソーラー(大規模太陽光発電施設)などの再生可能エネルギーの一部をピーク電源として活用する構想を進めている。

 電源にはこのほかに「ベース電源」(基幹電源、ベースロード電源)と「ミドル電源」がある。ベース電源は運転コストが安く、一日を通してほとんど同じ出力で発電し続ける電源をさす。ミドル電源は通常の需要変動に応じて発電量を変えられる、ピーク電源とベース電源の中間的な役割を果たす電源である。日本では、一定電気を安定的に低コストで供給できる原子力発電石炭火力発電、川の流れをそのまま使える水力発電などがベース電源とされてきた。しかし東日本大震災以降は多くの原子力発電所が停止したため、石炭火力発電が原子力発電を代替するベース電源となっている。ミドル電源には、石油火力発電、LNG液化天然ガス)やLPG液化石油ガス)などのガス火力発電がある。

[編集部]

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