霊巌寺跡(読み)れいがんじあと

日本歴史地名大系 「霊巌寺跡」の解説

霊巌寺跡
れいがんじあと

京都市北区の北山きたやまにあった寺。妙見菩薩が祀られていたといい、「拾芥抄」に「妙見寺在王城ノ四方、又号霊巌寺歟」とある。弘仁五年(八一四)一〇月一〇日、宮城以北の山野への侵入を禁止した官符(政事要略)に、「四至東限園池司東大道 西限野寺東 南限宮城以北 北限霊巌寺」と記される。

〈京都・山城寺院神社大事典〉

〔開創〕

経緯は定かでないが、「元亨釈書」によれば、承和年間(八三四―八四八)円行が当寺に住したといい、「密宗血脈抄」は「伝灯大法師位円行建立霊巌寺」と記す。円行は承和五年遣唐使小野篁に従って円仁らとともに入唐、長安の青竜寺にとどまり義真から金胎両部密教を受け、多数の経典図像を携えて翌六年帰国した僧である。

〔御灯行事〕

応永二九年(一四二二)成立の「公事根源」に「昔は北山霊岩寺などいふ所にてたかき峰に火をともして北辰に供せられける由云々」とあるように、当寺は毎年三月三日、九月三日、天皇が北斗(北極星)を祭って御灯を献じる御灯行事の執行寺として著名であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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