北斗七星を神格化した菩薩。尊星(そんしょう)王、妙見尊星王、北辰(ほくしん)菩薩ともいう。国土を守り、災難を除去し、敵を退け、または人の寿命を延ばす福徳ある尊像。古来、人間の一生は天文と関係していると考えられ、北半球では北斗七星がその中心とみなされていた。これは、北斗七星が人の善悪の行為をみて、これによって禍福を分け、死生を決めるものという、道教の思想から出たものと混交したものらしい。密教系や日蓮(にちれん)宗系で祀(まつ)ることが多く、とくに眼病平癒のために修する法を妙見法という。形像は二臂(ひ)像、四臂像、竜に乗るもの、手のひらの上や蓮(はす)の上に北斗七星を置くものなどがあるが、一面四臂で二手に日と月とを捧(ささ)げ、二手に筆と紀籍(鬼籍)を持ち、青竜の上に乗るのが代表とされる。
[石上善應]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…北斗信仰は早く日本にも流入し,平安時代以来,宮中での四方拝に天皇みずからが本命星を拝しその神名を称えた。また,北斗信仰は密教でも重視され,北極,北斗の本地とされる妙見菩薩をまつる妙見堂が各地に建てられている。【麦谷 邦夫】 民間でも宮中の四方拝にならって星供養を行い,今も〈ほくとさま〉〈ひちじょうさま(七星さま)〉などの名が残っている。…
…さらに後世,玉皇大帝,紫微大帝,北斗七神は斗姆から生まれた兄弟神とする斗姆信仰も行われ,《北帝説豁落七元経》など多くの経典が説かれた。 一方,仏教でも早く《七仏八菩薩所説大陀羅尼神呪経》が北辰を妙見菩薩とし,その神呪(しんじゆ)を称えることで国家護持の利益を得られることを説くが,とくに唐代の密教は道教の影響を強く受けた北辰北斗信仰を説いた。《北斗七星延命経》などは道仏混淆(こんこう)のあとをもっともよく示す宗教経典である。…
…妙見菩薩の略。北極星を神格化したものといわれ,国土を守護し,災厄を除き,福寿を増益するという菩薩。…
※「妙見菩薩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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