北斗(読み)ホクト

デジタル大辞泉 「北斗」の意味・読み・例文・類語

ほく‐と【北斗】

北斗七星」の略。「泰山たいざん北斗
中国の衛星測位システム。2000年から2007年にかけて4機の人工衛星が打ち上げられ、中国と周辺国で限定的に利用された。2012年からアジア太平洋地域で運用開始。2018年に衛星コンステレーションの構成が完了し、全世界での使用が可能となる。2020年に全55機の打ち上げが成功して完成。ベイドゥBDS(Beidou navigation satellite system)。

ほくと【北斗】[地名]

北海道南西部、渡島おしま半島にある市。函館市に隣接し、セメント工業が盛ん。北海道での稲作発祥(江戸初期)の地。トラピスト修道院がある。平成18年(2006)2月に上磯町大野町が合併して成立。人口4.8万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「北斗」の意味・読み・例文・類語

ほく‐と【北斗】

  1. [ 一 ]ほくとしちせい(北斗七星)」の略。
    1. [初出の実例]「是年六七月。彗星入於北斗」(出典:続日本紀‐宝亀元年(770))
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐文公一四年〕
  2. [ 二 ]ほっきょくせい(北極星)」の別称。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  3. [ 三 ] 江戸新吉原の異称。
    1. [初出の実例]「廿八程で北斗の地を離る」(出典:雑俳・柳多留‐五一(1811))

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改訂新版 世界大百科事典 「北斗」の意味・わかりやすい解説

北斗[市] (ほくと)

北海道南西部の市。函館市の西に接する。2006年2月大野(おおの)町と上磯(かみいそ)町が合体して成立した。人口4万8032(2010)。

北斗市北東部の旧町。渡島(おしま)支庁の旧亀田郡所属。1957年町制。人口1万0798(2005)。大野川流域に開けた函館平野の中心部に位置する。1685年(貞享2)町内の文月(ふみづき)地区に北海道で初めて水田405坪が開田され,稲作が開始されたと伝えられる。数少ない道南の穀倉地帯の一つで,米,ハクサイ,ダイコンなどの野菜の産が多い。近年はビニルハウスによる促成栽培も盛んで,トマト,キュウリなどを函館はじめ,札幌,旭川などに出荷している。国の灌漑排水工事が行われ,農業基盤の整備が進んでいる。JR函館本線が通じる。

北斗市の中部から南西部にかけて位置する旧町。渡島支庁の旧上磯郡所属。人口3万7258(2005)。函館市の西に接し,南東部は函館湾に面する。函館と江差あるいは松前方面とを結ぶJR江差線,国道228号線が通る。1879年,有川村と戸切地(へきりち)村が合併する際,当時の函館県令時任(ときとう)為基が郡名の上磯から命令したといわれる。17世紀ごろから函館湾沿いに漁業集落が形成された。1855年(安政2)南東部の戸切地(へきりち)の高台に松前藩が蝦夷地防衛のため陣屋を築いた。現在,跡地は国の史跡に指定され,土塁が保存されている。1890年北海道セメント(現,太平洋セメント)が北部の峩朗(がろう)で産する石灰石を原料とするセメント工場を建設し,以後町の主産業となった。第2次大戦後石油,造船,水産加工などの工場も立地し,工業都市の性格を強めてきた。函館に隣接する七重浜地区,久根別地区はベッドタウン化している。南部の当別には1896年創立の日本唯一の男子トラピスト修道院(正式名は厳律シトー修道会灯台の聖母大修道院)があり,ゴシック様式,赤レンガ造の本館は1908年に建てられた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「北斗」の意味・わかりやすい解説

北斗(市)
ほくと

北海道南西部、渡島(おしま)半島にある市。2006年(平成18)、上磯(かみいそ)郡上磯町、亀田(かめだ)郡大野町(おおのちょう)が合併して市制施行、北斗市となった。函館(はこだて)市に東接し、南は津軽海峡に面する。東部は沖積平野(函館平野の一部)、ほかは丘陵台地、山地からなる。JR函館本線、北海道新幹線、道南いさりび鉄道線、国道228号、国道227号(大野国道)が通じる。

 茂辺地(もへじ)川左岸段丘の矢不来(やふらい)に、15世紀に安東氏の拠った茂別館跡(もべつたてあと)がある。いわゆる道南十二館の一つ。戸切地(へきりち)川左岸の台地、野崎(のざき)には、1855年(安政2)の箱館開港に伴い、箱館奉行の命で建設され、1868年(明治1)箱館戦争で焼失した松前(まつまえ)藩の戸切地陣屋跡がある。館跡、陣屋跡はともに国指定史跡。トラピスト修道院は明治期、石倉野(いしくらの)番外地とよばれる不毛の原野に開かれた日本で最初の男子修道院。同院で作るトラピストバター、クッキーなどは特産品として知られる。文月(ふみづき)は北海道における水田発祥の地で元禄(げんろく)5年(1692)の開田記念碑がある。昭和30年代後半以降、大野灌漑(かんがい)排水事業が進んで、道南有数の穀倉地帯となった。現在は漁業、稲作のほか、トマト、キュウリなどの施設園芸野菜を中心に、イチゴ、ネギなどを栽培。コスモ石油函館物流基地があり、背後の山地に埋蔵する石灰岩を利用したセメント工業では、太平洋セメント上磯工場が日本屈指のセメント工場となっている。市街地は函館市のベッドタウン化が進んでいる。面積397.44平方キロメートル、人口4万4302(2020)。

[編集部]


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百科事典マイペディア 「北斗」の意味・わかりやすい解説

北斗[市]【ほくと】

北海道南部,函館市の西に位置する市。津軽海峡に面する。2006年2月,上磯郡上磯町,亀田郡大野町が合併し市制。JR北海道新幹線,JR函館本線,道南いさりび鉄道,国道227号線,228号線が通じる。397.44km2。4万8032人(2010)。

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普及版 字通 「北斗」の読み・字形・画数・意味

【北斗】ほくと

北斗星。〔詩、小雅、大東〕維(こ)れ北には斗るも 以て酒漿(しゆしやう)を(く)むべからず

字通「北」の項目を見る

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デジタル大辞泉プラス 「北斗」の解説

北斗〔果物〕

青森県で生産されるリンゴ。中生種。青森県りんご試験場(現在の県産業技術センターりんご研究所)が「ふじ」と「陸奥」との交配により育成した品種。1983年に品種登録。蜜の入りがよく、ジューシーで、甘みと酸味のバランスがよい。重さは350gから大きなものでは600gにもなる。

北斗〔特急列車〕

JR北海道が運営していた特急列車。札幌駅から函館駅(北海道)を結ぶ。1965年運行開始。2018年、スーパー北斗との統合により運行終了。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北斗」の意味・わかりやすい解説

北斗
ほくと

おおぐま座の7星,α,β,γ,δ,ε ,ζ ,η 星が柄つけ桝の形に見えるのでつけられた中国名。北斗七星と同じ。

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