金銀鉱から金銀を製錬する方法の一つで、シアン溶液を溶媒として用いるためこの名がある。金銀製錬法では鉱石中にごく微量しか含まれていない金銀を効率よく抽出することが必要である。このような性質をもつ溶媒としては、水銀あるいは金属硫化物の混合融体である溶融マット(鈹(かわ))があり、それぞれ混汞(こんこう)法、マット溶錬副産法として金銀製錬に用いられているが、そのほかに金銀は酸素の存在下でシアン水溶液に溶解することが知られており、これを利用した製錬法が青化法である。
ケイ酸質金銀鉱はまず粉砕機により荒砕きし、青化剤としての青化ソーダと消石灰を加えてボールミルでさらに細かく砕きながら溶解させる。これを反応槽に入れて空気を強く吹き込んで長時間反応させる。青化剤には青化カリでもよいが、経済上の理由から青化ソーダが一般に用いられる。青化法の浸出反応には十分な酸素が供給される必要があるので、圧縮空気を吹き込み強力な攪拌(かくはん)を行う浸出反応槽(たとえばパチュカ槽)を用いる。このようにして得た青化溶液に亜鉛粉末を加え、電気化学的性質の差を利用して金銀を沈殿させる。これを分離して不純物を除き、溶融して金銀合金陽極とし、電解精製によって金銀を順次分離回収する。得られる電気金、電気銀の品位はいずれも99.99%以上である。
[阿座上竹四]
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…また粗鉛の精製時の副産物としても回収される。金の製錬法にはほかにシアン化法(青化法)がある。酸素が存在する条件で金はシアン化ナトリウムNaCNの希薄水溶液(NaCNで0.05~0.25%)中に錯イオンの[Au(CN)2]-として溶解する。…
※「青化法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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