青竜(読み)セイリョウ

デジタル大辞泉 「青竜」の意味・読み・例文・類語

せい‐りょう【青竜】

《「しょうりゅう」「せいりゅう」とも》
四神しじんの一。天の東方守護神で、竜にかたどる。蒼竜
青竜旗」の略。
青い竜。中国ではめでたいしるしとする。
二十八宿うち、東方にある七宿総称

しょう‐りゅう〔シヤウ‐〕【青竜】

せいりょう(青竜)

せい‐りゅう【青竜】

せいりょう(青竜)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「青竜」の意味・わかりやすい解説

青竜
せいりゅう

中国古代の想像上の動物。普通は玄武(げんぶ)、朱雀(すざく)、白虎(びゃっこ)とともに四神(しじん)という形で一組にされ、それぞれが東西南北四方を守護したが、青竜は東方を管轄した。また、天子戦時に軍を進める際は軍隊の四方に四神を描いた旗を配置したが、青竜の旗は左翼に立てるものとされた。四神の信仰は中国で広く普及し、漢代には不幸を避けるめでたい文句として彼らの名が盛んに鏡の銘文に鋳込まれた。この信仰はさらに古代の朝鮮や日本にも伝播(でんぱ)し、四神の図が高句麗(こうくり)の古墳や高松塚の壁画に残されている。

[桐本東太]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

普及版 字通 「青竜」の読み・字形・画数・意味

【青竜】せいりゆう・せいりよう

東方の神。

字通「青」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「青竜」の解説

青竜
せいりゅう

四神(しじん)

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の青竜の言及

【青】より

…空の色は東西南北で変化があるが,《淮南子(えなんじ)》天文訓によれば,とくに東方を蒼天といい,《説文(せつもん)解字》は,青を東方の色と明記している。四方を守るいわゆる四神のうち,青竜は最も貴いものとして東方に位置する。仏教では極楽浄土の七宝の池に咲く4種の蓮の花のうち青色が第1とされ(《阿弥陀経》など),アジャンター壁画の著名な菩薩も青蓮華を手にしている。…

【四神】より

…中国の古代に発祥する四つの方位を表す象徴的動物。東を青竜(蒼竜とも),南を朱雀(しゆじやく)(〈すざく〉ともいう),西を白虎,北を玄武で表す。戦国時代前期の,曾侯乙墓出土の漆器の蓋に,北斗や二十八宿とともに竜と虎とが描かれて,四神の観念の基礎となるものが天空上の星座と結びついて,すでに生まれていたことを示す。…

【墓】より

…山所,墓所,陰宅と呼び,山につくるのが普通である。墓の位置や方角は風水説(三国時代に中国から伝わるが,李朝時代には一般民衆にまで浸透)に従って青竜(向かって右の丘陵),白虎(向かって左の丘陵),内明堂(前面の平地)をはじめ,主山(後方の山型の地形),案山(墓の前方の小高い地形)などをみて地官(風水師)が決める。土葬をするので1人につき1基が通例であるが,夫婦を一つの墓に納めることもある。…

【竜】より

甲骨文の竜の字に特徴的なのは,その頭上にアンテナのような飾りを戴くことで,これがのちには尺木と呼ばれる竜の角となるもので,竜は尺木があるので天に升(のぼ)れるのだとされる。《礼記(らいき)》では,竜は鳳,麟,とともに四霊の一つとされ(鳳凰(ほうおう),麒麟(きりん)),漢代に成立した四神の観念の中では,東方に位置づけられて青竜と呼ばれる。四神の観念の成立にともなって竜の図像も多数出現するようになるが,そこでの竜は立派なたてがみと足とを持ち,馬との類似性が大きい。…

※「青竜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android