白虎(読み)ビャッコ

大辞林 第三版の解説

びゃっこ【白虎】

四方をつかさどる天の四神しじんの一。虎で表され、西に配する。
二十八宿のうち、西方七宿の総称。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

白虎
びゃっこ

中国古代の想像上の動物で、玄武(げんぶ)、青竜(せいりゅう)、朱雀(すざく)とともに四神(しじん)の一つ。四神はそれぞれ天空の四方に輝く星宿(せいしゅく)に配当され、地上にあっては四方の土地を分担して守護する霊禽(れいきん)神獣と考えられたが、そのなかで白虎は西方を管轄した。
 四神の信仰は戦国時代のころに形成されたと思われるが、中国の国内において浸透しただけでなく、古代の朝鮮や日本にも伝播(でんぱ)した。わが国では、奈良の薬師寺金堂の本尊台座や、飛鳥(あすか)の高松塚古墳の石槨(せっかく)内壁にみられる四神の意匠が有名である。[桐本東太]

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精選版 日本国語大辞典の解説

はく‐こ【白虎】

はっ‐こ ハク‥【白虎】

びゃっ‐こ ビャク‥【白虎】

[1] 〘名〙
① 西方の守護神。虎形の神で、白は五行説で西方をさす色。中国、漢代のころ四方に配した四神の一つ。東方の青龍・南方の朱雀・北方の玄武に対していう。
※高野本平家(13C前)五「此地の躰を見るに、左青龍、右(う)白虎(ビャッコ)、前朱雀、後玄武、四神相応の地也」 〔淮南子‐天文訓〕
② 「びゃっこき(白虎旗)」の略。〔礼記‐曲礼上〕
③ 地相、家相で、理想的な地形として、家の右方(西)に大道のあることをいう。
※性霊集‐一〇(1079)綜芸種智院式「兌白虎大道、離朱雀小沢」
④ 白色の虎。情深く、君主に徳がある時にあらわれるとされる霊獣。騶虞(すうぐ)。〔日葡辞書(1603‐04)〕 〔漢書‐郊祀志下〕
[2]
[一] 中国の天文学で、二十八宿のうち、西方に当たる七宿の総称。西方七宿の星が全体で虎の形をしていると考えたところからの名という。〔書経伝‐堯典〕
[二] 陰陽家のいう凶神の一つ。子歳には申(西南西)方、丑歳には酉(西)方、寅歳には戌(西北西)方というように、毎歳居所をかえ、その歳その方位を犯すことを忌む。白虎神。
人情本・春色梅児誉美(1832‐33)後「二十四番 天天天人地 西有白虎霊 是即悪神形 家中不安穏 万事何以寧」 〔協紀弁方書‐義例一・白虎〕

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世界大百科事典内の白虎の言及

【四神】より

…中国の古代に発祥する四つの方位を表す象徴的動物。東を青竜(蒼竜とも),南を朱雀(しゆじやく)(〈すざく〉ともいう),西を白虎,北を玄武で表す。戦国時代前期の,曾侯乙墓出土の漆器の蓋に,北斗や二十八宿とともに竜と虎とが描かれて,四神の観念の基礎となるものが天空上の星座と結びついて,すでに生まれていたことを示す。…

【白】より

…古代の上エジプトでは白禿鷹ネクベトが国王守護の役を担ったし,他方白の牝カバも礼拝された。中国では白虎(びやつこ)は四神の一として西方を守る聖獣とされた(《淮南子(えなんじ)》天文訓)。色彩象徴が複雑化したインドでは,白はときに応じてブラフマー神,シバ神の身色として用いられ,また仏教では,毘盧遮那仏(びるしやなぶつ)(大日如来)の身色は白とされ(とくに金剛界法),また白色の身光が多く用いられる。…

【墓】より

…山所,墓所,陰宅と呼び,山につくるのが普通である。墓の位置や方角は風水説(三国時代に中国から伝わるが,李朝時代には一般民衆にまで浸透)に従って青竜(向かって右の丘陵),白虎(向かって左の丘陵),内明堂(前面の平地)をはじめ,主山(後方の山型の地形),案山(墓の前方の小高い地形)などをみて地官(風水師)が決める。土葬をするので1人につき1基が通例であるが,夫婦を一つの墓に納めることもある。…

※「白虎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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