静止摩擦(読み)せいしまさつ(英語表記)static friction

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

静止摩擦
せいしまさつ
static friction

摩擦ともいう。面上に置いた物体に力を加えて面に沿って動かそうとするとき,それを妨げる抵抗を静止摩擦という。物体には,加えた力の面に沿う方向の分力P と同じ大きさで逆向きの力 (静止摩擦力) F が接触面から加わる。P が増大するのに応じて,これと等大のF も増大するが,P の増大がある限度 P max をこえると,平衡が破れて物体は動きはじめる。この極限平衡におけるF の最大値を最大摩擦力 F max という。接触面からは,摩擦力F のほかに,物体を面にめりこませないよう働く垂直抗力N が物体に加わり,これらの合力 RFN を面の抗力という。摩擦の法則によれば,Fmax の大きさ F max N の大きさ N に比例して F max =μN である。μを静止摩擦係数といい,その値は接触面の種類と状態に関係する。極限平衡において Rmax ,つまり FmaxNN となす角 θ を摩擦角といい,μ= tan θ の関係がある。接触面を静かに傾けていくとき,水平面との傾角が摩擦角 θ をこすと物体は滑りだす (→滑り摩擦 ) 。転がる物体でも,加えた力の接触点に関するモーメントがある上限値をこえなければ転がりださない。この極限平衡の状態では転がり摩擦による最大の回転モーメントが垂直抗力に比例する。

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デジタル大辞泉の解説

せいし‐まさつ【静止摩擦】

ある面上に静止している物体が面に沿って動きだすとき、その接触面から抵抗を受ける現象。物体が動きだす直前に最大となる。→運動摩擦

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大辞林 第三版の解説

せいしまさつ【静止摩擦】

ある面上の物体に外力を加えて物体を動かそうとしたとき、それを妨げるように面から面の接線方向に働く抵抗。物体が動きだす直前の摩擦力を最大静止摩擦力または最大摩擦力という。 ⇔ 動摩擦

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