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静止電位 セイシデンイ

デジタル大辞泉の解説

せいし‐でんい〔‐デンヰ〕【静止電位】

生物体の筋肉や神経などの組織で、興奮時でなくても生じている膜電位細胞膜の内外で電位差を生じ、これによって電流が流れる。→活動電位生物電気

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大辞林 第三版の解説

せいしでんい【静止電位】

静止状態で生体細胞の膜の内外に生じている電位差。細胞内が負で通常60~90ミリボルト。皮膚などの上皮組織の内外両面の間(上皮電流)や筋・神経繊維などの損傷部と正常部との間(損傷電流)の電位差によって生じる電流を静止電流という。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

静止電位
せいしでんい

興奮していない細胞の内部には、通常、外部に対してマイナス60~90ミリボルト電位差があり、これを静止電位または静止膜電位という。細胞の内部は、外部に比べてK+の濃度が高くNa+の濃度が低い。細胞膜を形成している脂質の膜は、イオンを通過させないため、それだけでは、その両側には電位差は生じない。しかし、細胞膜には何種類もの条件によって特定のイオンを通過させるイオンチャンネルといわれる膜タンパク質があり、その状態によって細胞内外の電位差が決まっている。静止状態で細胞内の電位が外部に対してマイナスに保たれているのは、K+イオンチャンネルの透過性が比較的高いためである。神経細胞や筋細胞などの興奮性細胞では、膜電位が変化すると電位依存性Na+チャンネルが開き、細胞内部が一時的にプラスの電位となる活動電位が発生する。各種のイオンチャンネルは、基本的に共通した分子構造をもつサブユニットが集まって、イオンを通過する孔(ポア)を構成する巨大分子である。感覚上皮、腺(せん)上皮などを挟んだ両側にも、静止状態で一定の電位差があり、静止電位とよばれる。[村上 彰]

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世界大百科事典内の静止電位の言及

【神経系】より

…ニューロンの興奮伝導の能力はその細胞膜の性質(半透膜)と結びついている。 一般に細胞においては,それぞれの細胞の細胞膜の性質によって,その内部環境と外液との間にそれぞれの細胞に特有な大きさの電位差(静止電位resting potential)がある。興奮していないニューロンでは,細胞内液のカリウムイオンK濃度は細胞外液のそれよりも高く,ナトリウムイオンNa濃度は細胞外液のほうが高い。…

【膜電位】より

…細胞やミトコンドリアなどのような細胞内小器官は,生体膜で囲まれており膜電位を生じている。生きている細胞ではすべて細胞膜を介して細胞の内外の間に電位が観察されるが,これを静止電位resting potentialと呼ぶ。細胞の内外には一般にイオンの分布に大きなかたよりがある。…

※「静止電位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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