非対称度(読み)ヒタイショウド(その他表記)measures of skewness

デジタル大辞泉 「非対称度」の意味・読み・例文・類語

ひたいしょう‐ど【非対称度】

わい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「非対称度」の意味・わかりやすい解説

非対称度 (ひたいしょうど)
measures of skewness

歪(ひずみ)度ともいう。平均値を中心とする分布非対称性の大きさと方向を示す量。数理統計学では分布の非対称度として,を用いることが多い。ここで,μ2は平均mのまわりの二次モーメント(分散),μ3は平均mのまわりの三次モーメントである。すなわち,今,問題とする分布に従う確率変数Xとすると,

 μ2E[(Xm2

 μ3E[(Xm3

である。とかく。分布がmに関して対称であればγ1=0となる。このγ1は,分布が正規分布に近いとき,正規分布からのずれの大きさを与える尺度となっている。より詳しくいえば,確率変数の分布の特性関数標準正規分布の特性関数の差は,|γ1|が小さいほど小さくなる。

 K.ピアソンは,分布の非対称度を測る尺度として(m-モード)/σを提案した。このピアソンの尺度は,単峰分布に対して-\(\sqrt{3}\)以上,+\(\sqrt{3}\)以下となることが知られている。ピアソンの尺度の与える非対称度の直観的イメージは明確であるが,一般に分布のモードを計算することはむずかしい場合が多い。

 そこで,ピアソンの尺度と上述のγ1の関係を明らかにしなければならない。

とおく。μ4は平均mのまわりの四次モーメントである。ピアソン系の分布族に対しては,γ1,γ2が小さいとき近似的に,が成り立つことが知られている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「非対称度」の意味・わかりやすい解説

非対称度
ひたいしょうど
skewness

集団の構成を記述する統計的特性値の一つで,度数分布型の非対称の程度およびかたよりの方向を示すもの。度数分布が対称の場合,算術平均中位数,並数 (最頻値) はすべて一致するが,非対称の場合,度数は並数の左右に均等に分布しない。並数が算術平均より小さい場合を非対称の方向が正であるといい,逆の場合を負であるという。通常非対称度 SkM を算術平均,Mo を並数,Me を中位数,σ を標準偏差とすると,Sk=(MMo)/σ ,または,Sk=3(MMe)/σ で表わされる。

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世界大百科事典(旧版)内の非対称度の言及

【数理統計学】より

p次モーメントμpと定義する。これらを用いて分布の非対称度(歪度)がμ3223で,尖度がμ422-3で定義され,いずれも分布の型をいうのに役だつ量である。
[関連度]
 各個体に2種類の標識があって,それらの値をX1,X2,……,Xn,Y1,Y2,……,Ynとしよう。…

※「非対称度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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