非常事態法[ドイツ連邦共和国](読み)ひじょうじたいほう[ドイツれんぽうきょうわこく](英語表記)Notstandsgesetz

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

非常事態法[ドイツ連邦共和国]
ひじょうじたいほう[ドイツれんぽうきょうわこく]
Notstandsgesetz

1968年5月 30日西ドイツ連邦議会で可決された「非常事態に関する基本法」 Notstandsverfassungと,食糧,水,交通などの保全のための「個別的非常事態法」 Notstandsgesetzeの総称。重要なのは前者で,これにより西ドイツの侵略内乱および災害に際して議会立法権が連邦議会の代表 22名,連邦参議員の代表 11名から成る合同委員会で代行されるほか,行政府の権限が大幅に強化されることが規定されている。これは西ドイツの主権回復を認めたドイツ条約によって非常事態法の制定が義務づけられており,それに基づいて 60年2月議会に上程されたものである。しかし非常事態法の制定は基本的人権が大幅に制限されるため,議会外でも大きな議論を招き,成立まで8年を要した。

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