国や地方自治体で働く非常勤や臨時職員の総称。常勤職以外の職員であり、一般職と特別職があり、職種は一般事務、教員、保育士、社会福祉分野など多岐にわたる。非正規の国家公務員には、人事院規則、国家公務員法に基づき、雇用期間が1年以下の「期間業務職員」、委員や顧問、参与などの「パートタイム職員」、緊急時に6か月以下で雇用する「臨時的任用職員」の3類型がある。非正規の地方公務員には、地方公務員法に基づき、一般職として雇用期間が1年以下の「一般職非常勤職員」、専門的な知識・経験をもち助言・調査のみを行う「特別職非常勤職員」、産休などで欠員が生じた場合に雇う「臨時的任用職員」の3類型がある。多くの非正規公務員は職場に不可欠な人材として、契約更新を繰り返す状態で働いている。
非正規公務員は国家公務員で約5万6000人(2016年時点)、地方公務員で64万人(2016年時点)いる。とくに地方財政の悪化や人件費のかさむ正規公務員の削減で、地方の非正規公務員数は増加を続けている。しかし非正規公務員の法的な採用・勤務ルールは長く未整備であったため、正規に比べ給料が安く、ボーナス、通勤手当、昇給などが期待できず、民間企業のように正規雇用へ道を開くルールもないなど、待遇は劣悪であった。このため政府は2017年(平成29)に地方公務員法を改正し、2020年4月から会計年度任用職員制度を導入して待遇を改善する。会計年度任用職員は、週5日勤務のフルタイム職員と、週5日以下勤務のパートタイム職員に分かれる。フルタイム職員には期末手当(ボーナス)、通勤手当、退職手当が支払われ、昇給も可能となる。パートタイム職員にはボーナス支給、通勤手当が支給可能である。非正規の地方公務員に、ボーナス支給や昇給をしなくても自治体に罰則規定はないが、総務大臣は該当する自治体に是正勧告する権限をもつ。従来、非常勤・臨時雇用であった地方公務員の多くが会計年度任用職員に移行する見通しである。
[矢野 武 2019年10月18日]
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