非正規公務員(読み)ヒセイキコウムイン

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

非正規公務員
ひせいきこうむいん

役所や病院、公共職業安定所(ハローワーク)、学校、図書館、保育所をはじめとする国や自治体の組織で、継続的に一般事務職や専門職として雇用されている常勤職員以外の職員。国家公務員法第60条、地方公務員法第22条では、臨時・非常勤職員は、緊急の場合や臨時の仕事があった場合、最長6か月任期の契約で働くことができると定められている。規則通り1回のみの更新により1年で雇い止めになることもあるが、多くは職場に不可欠な人材として、6か月契約の更新を繰り返す不安定な状態で働いている。正規採用の公務員と同等に働いている人も少なくないが、給料が安いうえ、昇級や臨時手当なども期待できない場合がほとんどである。全日本自治団体労働組合(自治労)はこのような雇用状態にある人は、法で定められた臨時でも非常勤でもない雇用状態であることから、非正規公務員と名づけ、処遇の改善を訴えている。
 自治労の調査によれば、2012年(平成24)時点で全国自治体の非正規公務員はおよそ70万人に達し、職員全体に占める非正規の割合は3割を超える。財政難の、小さな自治体では非正規公務員が職員の半数を超えるところもある。このように非正規の公務員が増加した背景には、公務員定数の削減、財政悪化に伴う歳出削減があると指摘されている。また、自治体の業務の一部を民間に委託する動きも広がっており、そのために、非正規公務員の賃金がさらに低くなるのではないかという懸念も生じている。
 2013年4月には、正規雇用と非正規雇用の待遇格差の是正を目ざす改正労働契約法が施行された。しかし、これは民間の非正規社員が5年間働いた場合に正規雇用への道を開くものであり、国や自治体の非正規公務員については考慮されていない。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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