独立行政委員会である人事院が、その所掌事務について法律を実施するため、または法律の委任に基づいて発する行政立法(国家公務員法16条)。人事院規則の法的根拠は国家公務員法に限られない。一般職の職員の給与に関する法律、国家公務員災害補償法、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律、国家公務員の育児休業法等に関する法律なども細目を人事院規則に委任している(人事院規則1-0)。白紙委任に近いものが少なくないが、目下のところ適法とされている。人事院規則のうちとくに重要なものとしては、職員の任免(人規8-12)、職員の定年(人規11-8)、職員の身分保障(人規11-4)、職員の懲戒(人規12-0)、不利益処分についての不服申立て(人規13-1)、勤務条件に関する行政措置の要求(人規13-2)、政治的行為(人規14-7)、職員の災害補償(人規16-0)、職員団体のための職員の行為(人規17-2)などがある。
[阿部泰隆]
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…同院は行政機関ではあるが,憲法上その設置が認められ(憲法90条),内閣に対し高度の独立性を有しており,上記の事項について排他的な規律権を有する。(2)人事院規則 人事院がその所掌事務につき,法律を実施するため,または法律の委任に基づいて制定する法的規律である(国家公務員法16条)。人事院は,内閣の所轄に属するが,独立した職権の行使を保障され,上記の事項についても独立して規則を制定することができる。…
… 人事院の所掌事務としては,〈給与その他の勤務条件の改善及び人事行政の改善に関する勧告,職階制,試験及び任免,給与,研修,分限,懲戒,苦情の処理その他職員に関する人事行政の公正の確保及び職員の利益の保護等に関する事務〉(国家公務員法3条2項)をつかさどる。このような所掌事務について,人事院規則を制定し,人事院指令を発する等の準立法権をもつ,この人事院規則の規定事項は広範であり,とくに職員の政治活動の禁止に関する人事院規則は違憲の疑いがあるとの論議があった。また国家公務員がその意に反して不利益な処分を受けた際の不服を審査し判定する準司法権ももっている。…
…
[行政法上の命令]
(1)国の行政機関の制定する一般的な法的規律(行政立法)を命令という。現行憲法下における命令の形式としては,内閣の定める政令(憲法73条6号),内閣総理大臣または各省大臣の定める総理府令または省令,委員会または庁の長が定める規則(国家行政組織法12,13条),会計検査院の定める会計検査院規則(会計検査院法38条),人事院の定める人事院規則(国家公務員法16条)などがある。またそれは法律を執行するための執行命令(施行命令)又は法律の委任に基づく委任命令としてのみ制定することが許される。…
※「人事院規則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
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