飛廉(読み)ヒレン

デジタル大辞泉 「飛廉」の意味・読み・例文・類語

ひ‐れん【飛廉/×蜚廉】

中国で、風の神。
中国で、空想上の動物。頭は雀に似てつのがあり、からだは鹿に似て豹文があり、尾は蛇に似ているという。
陰陽道おんようどうでいう歳神の名。この神のいる方角に向かって建築転居嫁取りなどをすると災いがあるとされる。

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精選版 日本国語大辞典 「飛廉」の意味・読み・例文・類語

ひ‐れん【飛廉・蜚廉】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 植物「ひれあざみ(鰭薊)」の漢名。〔広益地錦抄(1719)〕 〔本草綱目‐草部・飛廉・釈名
    2. 古来、中国での、空想上の動物。雀頭で角があり、鹿身で豹文のある鳥であるともいい、毛が長く翼のある獣ともいう。〔淮南子‐俶真訓〕
    3. 古来、中国で風をつかさどるという神。風伯。風師。風の神。
      1. [初出の実例]「白帝勅飛廉、発足来青蘋、不松柏下」(出典:天柱集(1348頃)秋景風竹)
      2. [その他の文献]〔楚辞‐離騒〕
  2. [ 2 ] 陰陽家でいう方角神の一つ。この神のいる方角に向かっての土工・建築、また転居・婚儀を行なうことを忌み、これを犯すと口舌・疾病その他の患いがあるという。子の年は申(西南西)方、丑の年は酉(西)方、というように、毎年所在の方角をかえ、一二年で一巡する。〔和漢三才図会(1712)〕

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普及版 字通 「飛廉」の読み・字形・画数・意味

【飛廉】ひれん

風神

字通「飛」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の飛廉の言及

【風神】より

…いわゆる〈風の神〉をいう。中国では,風伯,風師ともいい,飛廉,箕伯などの名で呼ばれる。風は大気の動きであり,日々の天候や時節の移り変りと深いかかわりがあるので,古くからとくに注意をはらわれており,東西南北の四方にそれぞれの風神が考えられた。…

※「飛廉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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