食付く(読み)クイツク

デジタル大辞泉 「食付く」の意味・読み・例文・類語

くい‐つ・く〔くひ‐〕【食(い)付く】

[動カ五(四)]
しっかりとかみつく。食らいつく。「すっぽんに―・かれる」「―・きそうな目つき」
しっかりと取りつく。しがみつく。「机に―・いて離れない」
物事に喜んで飛びつく。「もうけ話に―・く」
相手文句難癖をつけて迫る。かみつく。「上役に―・く」
[類語]食らいつく噛みつく齧りつくかぶりつくくわえこむ噛む噛み砕く噛み締める噛み切る食い切る食いちぎる噛みこなす咀嚼反芻

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「食付く」の意味・読み・例文・類語

くい‐つ・くくひ‥【食付】

  1. 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
  2. かみつく。食らいつく。
    1. [初出の実例]「いとをかしげなる猫の、〈略〉はかりの緒くひつきて引きありくも」(出典:能因本枕(10C終)九三)
  3. しっかりと、とりつく。しがみつく。
    1. [初出の実例]「『かく身をひやせしは誰させけるぞ』と、首筋に喰つきける」(出典:浮世草子・好色五人女(1686)四)
  4. ( 魚が餌に食いつくところから転じて ) 心をひかれて物事に手をだす。とびつく。
    1. [初出の実例]「小人小利に目をかけ、此れにくいついてはなれじとするなりを看よ看よ」(出典:杜詩続翠抄(1439頃)一)
  5. 相手に文句を言って迫る。からむ。
    1. [初出の実例]「兄さんはさうなると只では済まされない男です。すぐ食ひ付いて来ます」(出典:行人(1912‐13)〈夏目漱石〉塵労)

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