齧り付く(読み)カジリツク

デジタル大辞泉 「齧り付く」の意味・読み・例文・類語

かじり‐つ・く【×齧り付く】

[動カ五(四)]
物の端に勢いよく歯を立てる。ぎゅっとかじる。食いつく。「大きなフランスパンに―・く」
しっかりくっついて離れまいとする。しがみつく。「母親に―・いて甘える」
一つ物事に執着して離れまいとする。しがみつく。「テレビに―・く」
[類語](1食いつく食らいつく噛みつくかぶりつくくわえこむかじるくわえるかじり散らす丸かじり/(2しがみ付くむしゃぶり付く抱き付く組み付く震い付くつかみかかる

かぶり‐つ・く【×齧り付く/×噛り付く】

[動カ五(四)]
口を大きく開けて食いつく。勢いよくかみつく。「リンゴに―・く」
しっかりと取りつく。かじりつく。「舞台に―・く」
[類語]かじりつく食いつく食らいつく噛みつくくわえこむかじるくわえるかじり散らす丸かじり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「齧り付く」の意味・読み・例文・類語

かじり‐つ・く【齧付】

  1. 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
  2. 離れないように、しっかりと歯で食いつく。
    1. [初出の実例]「其半分はおぬしに遣(や)らう。かぢりついて食へヨ」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉九)
  3. 離れないようにしっかりと物に取りつく。地位を失うまいと力を尽くす。しがみつく。
    1. [初出の実例]「前提(まへさげ)に蚯蚓がかぢり付(ツイ)て」(出典:滑稽本浮世床(1813‐23)二)
    2. 「高等官になったのが幸ひだから椅子に噛(カジ)り附いて」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉新高等官)

かぶり‐つ・く【齧付・噛付】

  1. 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
  2. 物にかみつく。特に、食べ物などに勢いよく、また、乱暴にかみつく。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  3. 物にしっかりと取りつく。むしゃぶりつく。かじりつく。
    1. [初出の実例]「イヌワ〈略〉ヲヲ フリ アシモトニ キテ ネブリツキ caburitçuqi(カブリツキ) シテ シュジンノ キヲ トル モノデ ゴザル ホドニ」(出典:天草本伊曾保(1593)イソポの生涯の事)

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