飽和潜水(読み)ホウワセンスイ

デジタル大辞泉 「飽和潜水」の意味・読み・例文・類語

ほうわ‐せんすい〔ハウワ‐〕【飽和潜水】

潜水した人が急速に大気圧場所に出たときに起こる潜函病減圧症)を防ぐため、あらかじめ体内ヘリウムなどの不活性ガスを飽和状態になるまで吸収させることで、水深100メートル以深でも安全に潜水できるようにする手法加圧減圧は特別なタンク内で行うため、潜水後の減圧には数日から十数日を要する。

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共同通信ニュース用語解説 「飽和潜水」の解説

飽和潜水

海中から浮上した際の急激な気圧変化による「潜水病」を防ぐ特殊な潜水技術。他の手法よりも深い場所で長時間作業が可能になる。気圧を調整できる部屋に入り、潜る深さに応じた水圧に体を慣らした後、専用カプセルに乗って海中へ移動。作業後は再び部屋に入り、地上の気圧に体を適応させる。海上自衛隊は2008年、約450メートルの深海での作業に成功した。

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ダイビング用語集 「飽和潜水」の解説

飽和潜水

高圧空気を呼吸し続けることで体内組織に溶け込んだ気体が各種の潜水障害を引き起こす。これが、ある一定の量を超えるとそれ以上は気体が体内に溶け込まない。この原理を利用して深海に長時間潜る技術を飽和潜水といい、作業ダイビングなど特殊なダイビングで実施されている。

出典 ダイビング情報ポータルサイト『ダイブネット』ダイビング用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内の飽和潜水の言及

【潜水】より

…閉鎖回路式は呼気を外部に放出せず,すべてを再生して使い酸素を補給するだけであるから小型ですむが,酸素分圧の監視・調節機構の信頼性が高くないと危険を伴うため,一般には実用化されていない。
[飽和潜水]
 深度と潜水時間の延長にともなって,必要となる減圧時間が大幅に増大し,作業の非能率性が問題となった。これを改善するために飽和潜水方式が開発され,大きく進歩した。…

※「飽和潜水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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