駆抜ける(読み)カケヌケル

デジタル大辞泉 「駆抜ける」の意味・読み・例文・類語

かけ‐ぬ・ける【駆(け)抜ける/×駈け抜ける】

[動カ下一][文]かけぬ・く[カ下二]
走って通り過ぎる。走って通り抜ける。「敵陣を一気に―・ける」「伊勢路を―・ける」「激動時代を―・ける」「記憶映像となってまぶたの裏を―・けた」
一瞬の間、心が強烈な感情感覚で満たされる。「戦慄せんりつが―・ける」「心の痛みが全身を―・けていった」「彼女の体を恐怖電流が―・ける」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「駆抜ける」の意味・読み・例文・類語

かけ‐ぬ・ける【駆抜】

  1. 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]かけぬ・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙
  2. 馬を走らせて、人々の間やある地域などを通り過ぎる。
    1. [初出の実例]「大勢の中を颯(さっ)と懸抜(ヌケ)御方の勢を見給へば」(出典太平記(14C後)一六)
  3. 走って追い越す。また、ある物の中を走り通って向こうへ出る。
    1. [初出の実例]「跡から来る駕(かご)めはナ。さっさと欠抜(カケヌケ)るぢゃヤ其いまいましさがたまったもんぢゃないはい」(出典:滑稽本浮世床(1813‐23)初)
  4. 他人を出し抜く。だましたり、すきをねらったりして他より先に行なう。
    1. [初出の実例]「ぬけがけ〈略〉誰々をよばんと約し置て、其一人、かけぬけて女郎をはなすなどを云」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一)

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