駕輿丁座(読み)カヨチョウザ

デジタル大辞泉 「駕輿丁座」の意味・読み・例文・類語

かよちょう‐ざ〔カヨチヤウ‐〕【××輿丁座】

中世京都で、駕輿丁が結成した座。各種の商業に進出し、課役免除の特権専売権をもっていた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「駕輿丁座」の意味・読み・例文・類語

かよちょう‐ざカヨチャウ‥【駕輿丁座】

  1. 〘 名詞 〙 中世、駕輿丁が組織した商工業の座。唐物、酒、馬、銅などを扱って課税免除の特権をもつ座、古鉄、絹、呉服、米などの専売権をもつ座など。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「駕輿丁座」の意味・わかりやすい解説

駕輿丁座
かよちょうざ

神輿(みこし)や、天皇鳳輦(ほうれん)を担ぐ駕輿丁が、その奉仕と特権の擁護のために、連帯組織として結んだ座。通常は天皇の駕輿丁で、朝廷左右近衛府(このえふ)と左右兵衛(ひょうえ)府に属した四府(しふ)駕輿丁座をさす。彼らは四府あわせて約200人、近江(おうみ)犬上(いぬかみ)郡その他に散在し、課役免除の特権を得、上番(じょうばん)して奉仕をしたが、鎌倉時代を境に、都市商工業者の特権団体と化した。課役免除のみならず、専売権を行使する職種もあり、ときには駕輿丁奉仕を拒否して免税権などを主張した。そのため1430年代(永享(えいきょう)ころ)には米売りだけで120人余に膨張した。豊臣(とよとみ)秀吉の楽座令でその特権は否定されたが、近世を通じて座は存続した。

脇田晴子

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

旺文社日本史事典 三訂版 「駕輿丁座」の解説

駕輿丁座
かよちょうざ

鎌倉・室町時代,京都の商工業者の座の一つ
四府駕輿丁座ともいう。駕輿丁は左右近衛府・左右兵衛府の四府に属し,天皇の輿 (こし) や神輿をかつぐ者。鎌倉中期以後,課税免除・専売権などの特権を得て,運送業を中心に商業活動を行い,座を組織した。織田信長豊臣秀吉の楽市・楽座制により衰退

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android