神輿(みこし)や、天皇の鳳輦(ほうれん)を担ぐ駕輿丁が、その奉仕と特権の擁護のために、連帯組織として結んだ座。通常は天皇の駕輿丁で、朝廷の左右近衛府(このえふ)と左右兵衛(ひょうえ)府に属した四府(しふ)駕輿丁座をさす。彼らは四府あわせて約200人、近江(おうみ)犬上(いぬかみ)郡その他に散在し、課役免除の特権を得、上番(じょうばん)して奉仕をしたが、鎌倉時代を境に、都市商工業者の特権団体と化した。課役免除のみならず、専売権を行使する職種もあり、ときには駕輿丁奉仕を拒否して免税権などを主張した。そのため1430年代(永享(えいきょう)ころ)には米売りだけで120人余に膨張した。豊臣(とよとみ)秀吉の楽座令でその特権は否定されたが、近世を通じて座は存続した。
[脇田晴子]
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報