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高千穂神楽 たかちほかぐら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

高千穂神楽
たかちほかぐら

宮崎県北西部高千穂町の各集落で,11月中旬から翌年 2月上旬まで行なわれる夜神楽。民家を神楽宿として行なわれるが,11月3日には天岩戸神社,11月23日には高千穂神社でも行なわれる。文治5(1189)年の『十社大明神記』に「七日七夜の御じんらく(神楽)」と記されているが,今日伝わっている神楽は,江戸時代中期以降に改変されたもので,記紀神話(→古事記日本書紀)の内容に基づいた演目が中心になっている。神楽は集落の神社から神楽宿の家まで神を迎えることから始まり,全 33番が夜通し舞われる。演目は式三番(しきさんば)と呼ばれる「彦舞」「太殿(たいどの)」「神下ろし」と,「鎮守」「杉登」「地固」「幣神添(ひかんぜ)」などの神迎えの舞から始まり,「弓正護」「地割」などの修験道色の強い演目,記紀神話劇と続く。最後は,神楽宿の外でサカキ(榊)の束に神が乗り移るさまを演じる「御柴」,神楽宿の飾りを片付ける「注連口」「繰り降ろし」「雲下ろし」と神送りの演目で終了する。国指定重要無形民俗文化財。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

高千穂神楽
たかちほかぐら

宮崎県西臼杵(にしうすき)郡の高千穂町、日之影(ひのかげ)町などその付近一帯に伝わる神楽。毎年11月から翌年2月にかけて行われる。夜(よ)神楽、岩戸(いわと)神楽などともいう。国指定重要無形民俗文化財。くじ引きで選ばれた民家を神楽宿とし、その宿の一間を神庭(こうにわ)とする。神庭の四周に注連縄(しめなわ)を巡らし、正面に神座(かみざ)を設け、天井中央に雲という一種の天蓋(てんがい)を吊(つ)るす。夕刻、神楽衆(奉仕者(ほうしゃ)どん)が氏神の社(やしろ)から行列を組んで宿に乗り込み、神庭を舞台に夜通し神楽を舞う。曲目は全部で33番あり、その次第や名称は集落によって小異がある。素面(すおもて)の採物(とりもの)の舞と仮面の舞とからなる出雲(いずも)流神楽である。まず神下(かみおろ)しの儀式舞から始まり、「武智(ぶち)」「正護(しょうご)」などの採物の舞、「手力男命(たぢからおのみこと)」「鈿女命(うずめのみこと)」「戸取(ととり)」「舞開(まいびらき)」など岩戸神話を中心とした仮面の舞が続く。翌朝、「日の前」「注連口(しめぐち)」「繰下(くりおろ)し」などの舞があり、最後は神庭に吊るした雲を引き下ろす「雲下し」で行事を終わる。真夜中ごろ、村の若者たちが神楽宿の庭で、互いに押し合いながら神楽せり歌をうたいにぎわう。[渡辺伸夫]

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