岩戸神楽(読み)イワトカグラ

デジタル大辞泉 「岩戸神楽」の意味・読み・例文・類語

いわと‐かぐら〔いはと‐〕【岩戸神楽】

民俗芸能の一。面をつけて神々に扮し、「岩戸隠れ」「大蛇退治」など神話に取材した所作を演じるもの。神代じんだい神楽
歌舞伎下座音楽の一。太鼓大太鼓能管で奏し、荒事あらごと出端では立ち回り所作などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「岩戸神楽」の意味・読み・例文・類語

いわと‐かぐらいはと‥【岩戸神楽】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 神事芸能。天照大神が天の岩屋戸にこもり、その前で神々が舞楽を奏したという神話に基づく神楽。天児屋根命(あめのこやねのみこと)、天鈿女命(あめのうずめのみこと)、手力男命(たぢからおのみこと)などの、神々の仮面をつけた者が登場し、天照大神の岩戸隠れや、素戔嗚尊(すさのおのみこと)の大蛇退治などを黙劇風に舞う。神代神楽。岩戸の舞。岩戸。
    1. [初出の実例]「此箱根の山中に住む氏子の者が隔番に岩戸神楽を勤むるが役」(出典:歌舞伎・小袖曾我薊色縫(十六夜清心)(1859)大詰)
  3. 歌舞伎ばやしの一つ。太鼓を主体として大太鼓に能管または竹笛を加える。荒事の出端や立回り、所作などに用いる。
    1. [初出の実例]「岩戸神楽の鳴物にて」(出典:歌舞伎・御摂勧進帳(1773)四立)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩戸神楽」の意味・わかりやすい解説

岩戸神楽
いわとかぐら

古事記』『日本書紀』に記された天岩戸開(あまのいわとびらき)の神話を劇化して演ずる神楽。天照大神(あまてらすおおみかみ)、天鈿女命(あめのうずめのみこと)、手力雄命(たぢからおのみこと)などの神々が仮面をつけて登場し、多くは黙劇風に神話の世界を展開する。九州の神楽はことに岩戸開の曲を重要視しているために岩戸神楽とよばれることがあるが、なかでも宮崎県西臼杵(にしうすき)郡一帯の高千穂(たかちほ)神楽をとくに岩戸神楽とも称する。岩戸開の曲は全国的に分布する出雲(いずも)流神楽のなかで、もっともポピュラーな曲として知られている。

高山 茂]

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百科事典マイペディア 「岩戸神楽」の意味・わかりやすい解説

岩戸神楽【いわとかぐら】

天の岩戸の神話を劇に仕立てた神楽総称。天の岩戸の前での天鈿女(あめのうずめ)命の舞を神楽の起源とするという伝説が根拠九州地方に多い。

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事典・日本の観光資源 「岩戸神楽」の解説

岩戸神楽

(福岡県筑紫郡那珂川町)
福岡県文化百選 祭り・行事編」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の岩戸神楽の言及

【長陽[村]】より

…農業は米作,タバコ,トマトなどの栽培,赤牛肥育を中心とした畜産を主とする。長野の岩戸神楽は無形民俗文化財に選択されている。阿蘇の玄関口にあってペンション村などレジャー施設が増えている。…

※「岩戸神楽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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