高崎宿(読み)たかさきしゆく

日本歴史地名大系 「高崎宿」の解説

高崎宿
たかさきしゆく

中山道の宿駅で、江戸日本橋から一三番目にあたり、東の一二番倉賀野くらがの宿、西の一四番板鼻いたはな宿(現安中市)の間に位置する。高崎城下に置かれ、あら町・町・もと町が伝馬役を勤めた。中世の鎌倉街道和田わだ宿が前身であったといわれ、中世末期の状況を描いたと考えられる和田絵図(「更正高崎旧事記」所収)には伝馬宿としての馬上ばじよう宿・金井かない宿がみえる。梶山与三右衛門尉に宛てた元亀元年(一五七〇)八月二六日付武田家朱印状(梶山文書)に「和田問屋」がみえ、近世にも本町で問屋を勤めた梶山氏が主として新田につた筋への問屋を営むことを再確認されている。井伊直政が和田に移った慶長三年(一五九八)以後馬上金井の伝馬宿を移して本町が成立したという(高崎寿奈子)。当時の中山道は本町南東部で南折せずに東へ延びて椿つばき町に入り、東端法華ほつけ寺前で南に折れ、九蔵くぞう町を通って田町元紺屋もとこんや町・白銀しろがね町の東側、とおり町を南下していた。同七年中山道は西側に移って道沿いの田町とその南にある新町も伝馬役を勤めるようになった(前掲旧事記)

中山道宿村大概帳、嘉永五年(一八五二)宿明細帳(安中市教育委員会蔵)によると、天保(一八三〇―四四)末から嘉永にかけての様子が知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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