高張(読み)コウチョウ

デジタル大辞泉 「高張」の意味・読み・例文・類語

こう‐ちょう〔カウチヤウ〕【高張】

ある溶液浸透圧が、他の溶液に比べて大きいこと。⇔低張

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「高張」の意味・読み・例文・類語

たか‐ば・る【高張】

[1] 〘他ラ四〙 高く張る。高くする。
※俳諧・誹諧猿黐(1680)「外の宗匠をあざけりふみつけて、鼻をたかばる」
[2] 〘自ラ四〙
① 人を見くだした態度をとる。えらぶって、とりすます。
※天理本狂言・鬼の継子(室町末‐近世初)「ああ、いかうたかばるよと云て、かさをもつ」
② 値を高くいう。値段が高くつく。
※俳諧・新増犬筑波集(1643)油糟「誂るあたひたかばる石ぼとけ」
③ 取引相場で、相場に対する人気値段が実際の値段より上回る。〔取引所用語字彙(1917)〕
④ (「たかはる」とも) 高く盛り上がる。はちきれるようにふくれあがる。
国民歌謡・くろがねの力(1939)〈浅井新一〉「たくましき腕、高張(タカハ)る胸に」

たか‐はり【高張】

〘名〙
① 値段を高くして欲ばること。また、その人。
明治の光(1875)〈石井富太郎編〉二「コイツ売り声に似合はぬ高張りたと、振りきって行き升た」
※歌舞伎・金看板侠客本店(1883)序幕挙句が金張り高張(タカハ)りでさかった賭場に」
読本春雨物語(1808)宮木が塚「夜こめて住よしの里迄とて、高張あまた用意申付給ひしかば」

たかっ‐ぱり【高張】

〘名〙 (「たかはり(高張)」の変化した語)
博奕などで大金をかけること。大きな勝負に出ること。たかはり。
浄瑠璃神霊矢口渡(1770)四「闇雲の高っぱり、武蔵野の窩賭(どば)で大勝負」
② 高慢な態度。
※洒落本・駅舎三友(1779頃)出立「身は似た山の高(タカ)っぱり」

こう‐ちょう カウチャウ【高張】

〘名〙 二種類の溶液があって、その浸透圧が異なっているとき、浸透圧の高い方をいう。主として生物学で種々の溶液を生物体内の液体(たとえば原形質液や血液)と比べるとき用いる。
※薬の効用(1964)〈佐久間昭〉一七「〇・九パーセントより濃いものは高張で、薄いものは低張であると表現する」

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世界大百科事典(旧版)内の高張の言及

【浸透圧調節】より

…動物の細胞を,その浸透圧より低い浸透圧の液(低張液)につけると,細胞内に水が浸透してくる一方,塩類が外に出て細胞の容積は増加し,浸透圧は低下する。反対に浸透圧の高い液(高張液)につけると,脱水と塩類の浸入のため細胞の容積は減少し,浸透圧は高まる。細胞が正常に機能するためには,細胞の環境(内部環境)の浸透圧が最適のレベルに保たれる必要がある。…

※「高張」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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