高校生の政治活動（読み）こうこうせいのせいじかつどう

共同通信ニュース用語解説

高校生の政治活動

1969年に学生運動が高校まで広がったため、文部省(当時)は学校内外を問わず、全面的に政治活動を禁止する通知を出した。しかし、昨年の公選法の改正による選挙権年齢の引き下げで、18歳の高校生も選挙運動が可能になり、文部科学省は校外などで政治活動に参加することを認める内容に通知を改めた。一方で、生徒が政治活動をする際、学校に届けさせる校則を設けることも容認。憲法が保障する表現の自由や、思想信条の自由を侵害するとの批判がある。

更新日:2016年6月10日

出典　共同通信社 共同通信ニュース用語解説

知恵蔵mini

高校生の政治活動

日本の高校生が行う政治活動。教育基本法では「政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない」としているものの、学生運動の激化を背景に1969年、旧文部省が「高校生による政治団体の組織化、文書の掲示・配布、集会開催などの政治活動を制限・禁止する」といった通知を出している。しかし、2016年の参議院議員選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられることを受け、15年10月29日に文部科学省は69年通知を廃止し、合理的な制約の元で高校生の政治活動を容認する通知を全国の教育委員会などに出した。本通知では、授業や部活など校内での政治活動は禁止し、校外での政治活動は学業優先・違法あるいは暴力的ではないといった条件付きで生徒の主体的判断で行えること、また学校の政治的中立の堅持などを打ち出している。

(2015-11-2)

出典　朝日新聞出版