鬼縛(読み)オニシバリ

デジタル大辞泉 「鬼縛」の意味・読み・例文・類語

おに‐しばり【鬼縛】

ジンチョウゲ科の落葉低木。本州以西の山地に自生し、高さ約1メートル。葉は細長い。雌雄異株で、早春黄緑色の花を開き、実は紅色樹皮繊維は強く、名は鬼をも縛れるというところから。夏に葉が落ちるので、なつぼうずともいう。

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精選版 日本国語大辞典 「鬼縛」の意味・読み・例文・類語

おに‐しばり【鬼縛】

  1. 〘 名詞 〙 ジンチョウゲ科の有毒の落葉低木。本州、四国、九州のやや乾いた山地に生える。幹は枝分かれし、高さ約一メートルに達する。樹皮は灰茶色。葉は無毛で倒狭長楕円形で、秋に枝先に集まってつき、越冬して、夏に落葉する。早春、黄緑色の花が葉腋(ようえき)にやや密に集まってつく。萼(がく)は筒状で四裂する。雌雄異株で雌花雄花よりやや小さい。実は楕円体で、夏、赤く熟す。樹皮は非常に強靱で、紙の原料になり、エキスリウマチ痛風などの外用薬となる。はなちょうじ(花丁子)。なつぼうず(夏坊主)。

▼おにしばりの花《 季語・春 》

▼おにしばりの実《 季語・秋 》 〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

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