ジンチョウゲ科(読み)じんちょうげか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジンチョウゲ科」の意味・わかりやすい解説

ジンチョウゲ科
じんちょうげか
[学] Thymelaeaceae

双子葉植物、離弁花類低木または小高木樹皮の靭皮(じんぴ)繊維は強く、じょうぶでちぎれにくい。葉は互生または対生し、鋸歯(きょし)がない。花は束生するか頭状花序をつくり、萼筒(がくとう)は細長くて子房を包み、先は4~5裂する。子房は上位。一般に花弁を欠く。果実は核果または堅果で1個の種子がある。熱帯から温帯に分布し、50属500種ほどある。日本にはガンピ属10種、ジンチョウゲ属3種が自生し、ジンチョウゲやフジモドキが観賞用に、高級紙の原料としてミツマタ(ミツマタ属)が栽培される。またガンピからは雁皮(がんぴ)紙をつくる。

[山崎 敬 2020年10月16日]

 APG分類でもジンチョウゲ科とされる。日本にはジンチョウゲ属、シャクナンガンピ属、ガンピ属、アオガンピ属が自生し、ミツマタ属が野生化する。

[編集部 2020年10月16日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジンチョウゲ科」の意味・わかりやすい解説

ジンチョウゲ科
ジンチョウゲか
Thymelaeaceae

双子葉植物ジンチョウゲ目の1科。温帯から熱帯にかけて約 50属 500種があり,特にアフリカが分化の中心といわれるが,アジア東部の暖温帯にもかなりの種類がある。大半は低木であるが,わずかながら高木や草本,つる植物なども含まれる。茎の靭皮繊維が強くじょうぶで,引きちぎることはむずかしい。ミツマタ (三椏)ガンピ (雁皮)などの繊維は和紙の原料とされてきた。葉は単純形で全縁,互生または対生する。花は多数が集って球状の花序をつくることが多い。個々の花は両性花で放射相称の4~5数性。は深い管状をなし上端部だけが浅く4~5裂する。花弁はないものが多い。おしべは萼裂片と同数 (4~5本) またはその倍数果実はさまざまである。ジンチョウゲ属 Daphneは観賞用に栽培,ガンピ属 Wikstroemiaなどは繊維を利用する。

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