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魚病 ギョビョウ

デジタル大辞泉の解説

ぎょ‐びょう〔‐ビヤウ〕【魚病】

魚介類のかかる病気。多く、養殖魚の病気についていう。「魚病学」

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎょびょう【魚病】

魚の病気のことであるが,水産動物疾病を包括的に表す言葉として広く使われる。魚病の研究は養殖業の発展と密接な関連をもっている。それは養殖業が盛んになると,その一方でいろいろな理由で病害が増大するからである。養殖種苗として卵や稚仔が売り買いされると,それまで存在しなかった疾病が他所から入ってきたり,ある所で発生した病気がたちまち全国に広がったりする。また,限られた施設でできるだけ大量生産しようとするため,養殖技術が進歩すればするほど飼育密度が高くなり,いったん病気が発生すると飼育密度の低いときとは比べものにならないほど激しく流行し,大きな被害を生ずる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

魚病
ぎょびょう

魚類の病気。ウイルス、細菌、カビ、原生動物、吸虫、条虫、線虫、鉤頭虫(こうとうちゅう)、甲殻類などの感染や寄生によるほか、生息環境の悪化、栄養の過不足などにより発病する。
 ウイルス病は、ウイルスを構成している核酸のRNA(リボ核酸)とDNA(デオキシリボ核酸)により2大別され、RNAによるものではニジマスの伝染性造血器壊死(えし)症(IHN)、カワマス、ニジマスの伝染性膵臓(すいぞう)壊死症(IPN)、DNAによるものではニジマス、ヒメマス稚魚のヘルペスウイルス病などがあり、これらに感染した病魚の治療は甚だ困難である。細菌性の病気には、滑走細菌類によるコイ、フナ、ドジョウ、ウナギ、サケ・マス類のカラムナリス病、グラム陰性好気性細菌によるコイ、キンギョの白雲(はくうん)症、グラム陰性通性嫌気性細菌によるウナギ、アユ、サケ・マス類、タイ類、ブリのビブリオ病、コイ、フナ、キンギョの穴あき病、フナ、キンギョの立鱗(りつりん)病、グラム陽性細菌によるアユ、ブリの連鎖球菌症などがある。細菌性の病気は薬剤による予防・治療が可能である。カビによる病気には、コイ、フナ、キンギョ、アユ、サケ・マス類のわたかぶり病、アユ、サケ・マス類、ブリのイクチオフォヌス病、コイのデルモシスチジウム病などがある。わたかぶり病については薬剤による予防・治療が可能である。原生動物による病気は、感染動物の種類により大別される。繊毛虫による病気にはコイ、キンギョ、ウナギ、サケ・マス類など淡水魚の白点病、ブリなど海水魚の白点病、コイ、サケ・マス類のキロドネラ症、コイ、キンギョ、フナ、ウナギ、サケ・マス類、フグのトリコディナ症、コイのエピスティリス症などがある。繊毛虫による病気は薬剤による予防・治療が可能である。粘液胞子虫による病気はキンギョのミトラスポラ症などで、治療は困難である。微胞子虫による病気はアユ、ニジマスのグルギア症、ウナギのベコ病などで、グルギア症の治療は薬剤により可能である。吸虫類の寄生によるコイ、フナ、ナマズ、ドジョウ、ウグイ、アユ、シラウオの黒点病、線虫類の寄生によるコイのコイ糸状虫症、甲殻類の寄生による淡水魚のイカリムシ症、チョウ症(ウオジラミ症)、チョウモドキ症などの治療には、長期間の処置が必要となる。コイの背こけ病は栄養不良による糖尿病に相当する。
 魚類の病気の診断・治療には専門家の指導を必要とする。魚病発生後の処置はむずかしいことが多いので、環境管理や適切な給餌(きゅうじ)によって魚病の予防を心がけることがたいせつである。また、新たに魚を飼育する際は十分に防疫を施す必要がある。[広瀬一美]

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