鮫肌(読み)サメハダ

デジタル大辞泉 「鮫肌」の意味・読み・例文・類語

さめ‐はだ【×鮫肌/×膚】

鮫の皮のように乾いてざらざらした皮膚

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「鮫肌」の意味・わかりやすい解説

鮫肌 (さめはだ)

皮膚の特殊な乾燥,粗糙(そぞう)化(ざらざらになること)した状態の俗称。一般には欧米のfish skin,日本名の魚鱗癬(ぎよりんせん)ichthyosisに当たる変化を指すが,これを文字どおり〈サメの肌〉と解釈して毛孔性苔癬lichen pilarisを当てる向きや,さらに拡大して鳥肌goose skinまで含める見解もある。魚鱗癬は皮膚の乾燥,粗糙化と魚鱗様変化の出現を特徴とする病気で,種類も多いが,今日までその分類は国際的に統一をみていない。尋常性魚鱗癬は最も普通にみられるもので,症状は生後間もなく始まり,四肢伸側,体幹に顕著で,夏季軽快し,冬季悪化する。病態生理として,角質層の水分保持力の低下や経表皮水分喪失の上昇があげられる。常染色体優性遺伝と伴性劣性遺伝の2型があり,後者はステロイドスルファターゼの欠損症である。そのほか獲得性魚鱗癬,魚鱗癬様紅皮症,魚鱗癬症候群,水疱型魚鱗癬様紅皮症などがある。なお毛孔性苔癬はおもに思春期女子の上腕・大腿伸側に対称性に毛囊一致性角化性丘疹が密生するものをいう。
角化症
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鮫肌」の意味・わかりやすい解説

鮫肌
さめはだ

魚鱗癬」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の鮫肌の言及

【うろこ(鱗)】より

…動物の体表に存在する硬い小片を一般にうろこといい,〈こけら〉ともよばれる。動物学的に定義すれば,脊椎動物の皮膚に生じたリン酸石灰質あるいは角質(ケラチン質)の小片である。うろこは体の保護,乾燥に対する防御だけでなく,感覚器としての機能をもつ場合もある。〈うろこ〉が魚の代名詞として使われたことからもわかるように,日本人にとって最もなじみ深いのは魚類のうろこである。現生の硬骨魚類にみられるうろこのほとんどは,骨鱗と呼ばれる真皮中に生じた骨質の小板であるが,原始的な硬骨魚類や軟骨魚類は由来や形態のやや異なるうろこをもっている。…

※「鮫肌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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