鳥羽城跡(読み)とばじようあと

日本歴史地名大系 「鳥羽城跡」の解説

鳥羽城跡
とばじようあと

[現在地名]鳥羽市鳥羽三丁目

鳥羽殿といわれ一二世紀後期から鳥羽地域に勢力を張った橘氏の居宅の地で、「志陽略誌」に「鳥羽城在鳥羽海浜城回海海旋城元橘次郎宗忠砦跡」とある。同書によればその後、志摩国一円を統一した九鬼嘉隆が文禄三年(一五九四)築城し、寛永年間(一六二四―四四)九鬼氏を継いだ内藤伊賀守忠重が改築、以後内藤・土井松平板倉・戸田(松平)稲垣の各大名の居城となった。鳥羽市字城山しろやまの標高四〇メートルの丘陵上にあり、前面は鳥羽湾に臨み四周海城であった。現在はこの水域は埋立てられて陸続きとなり変貌は著しい。

志摩国鳥羽城図(内閣文庫蔵)によれば四周石垣をめぐらした島嶼であって、藤口ふじぐち門・不動ふどう門と大橋によって本土側の城下と連なっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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