朝日日本歴史人物事典 「鴻池道億」の解説
鴻池道億
生年:明暦1.12.6(1656.1.2)
江戸中期の大坂商人,茶人。茶道具の目利きとしても知られる。秀重と木村治郎右衛門の娘の子。名は善三郎。光漸,凡斎などと号した。山中姓を名乗る豪商鴻池家の一族。茶は村田珠光の流れを汲んだが,千家茶道とも関係が深い。さらに近衛家煕などにも知遇を得た。茶道具の鑑定に長じ,茶器の収集にも励んだ。「本能寺文琳」(五島美術館蔵),長次郎作楽茶碗「大黒」「東陽坊」などはその代表。300点を超えるその所持道具は『鴻池道具帳』に詳しい。著書に『山中光漸茶書』がある。<参考文献>『茶道全集』11巻
(谷端昭夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報